今日は午後から雨が降った。
よりによって人が帰り仕度をし始めたときに。
しかも俺は傘を忘れ、もちろん男鹿が傘を持ってきていないことは聞くまでもなく濡れて帰らなければいけない。
だからとりあえず二人で雨の中を走って帰ることにした。
「なあっ、俺ん家来ねぇ?」
「はぁ!?なんで!」
「俺ん家のが近ぇし、いいじゃんっ?」
「いや、どっちみちもう濡れてるし!!」
「いいから!」
走りながらの会話が辛い。只でさえ、雨で走りにくくだるいのに。
男鹿は俺の腕を引っ張って、男鹿家に連れていく。
「着いたぞっ、古市!」
「あっ、ちょっ」
無理矢理家の中に押し込まれる。
男鹿は家の中に入るなり、洗面台の方に姿を消した。
「ん、タオル」
「サンキュ」
てきとうに掴んできたのであろうタオルを受け取る。
「部屋上がっとけ。なんか持ってくっから」
「おー」
何か男鹿がこういうこと言うのって珍しいな。言われるまま階段を上り男鹿の部屋に入る。
あ、これ俺の漫画。アイツ結局返してねーじゃん。
濡れた頭を拭きながら着ていた制服を脱ぐ。
「服勝手に借りんぞ~?」
階段下に向かって声をかける。
台所にいるのに古市の声は届いていたようで、返事が返ってくる。
「あぁ、てきとうに着てていいぞ!」
「分かったー」
服が入っているタンスを開ける。
「………やっぱちょっとでかいな……」
体格差があるから当たり前なんだけど。なんかムカツク。
「これでいっか」
青色のTシャツを取り出す。下はハーパンがあったからそれにした。
「あ~…………だりぃ」
傍にあるベッドに寝転がる。枕に顔を埋めると、男鹿の匂いがする。
「………………」
「古市?」
部屋のドアがガチャッと開いた。
そっちを見ると、ジュースやらなんか色々持った男鹿が立っている。
「よぅ」
「なに人のベッドで呑気に寝てんだ」
「いーじゃん、別に」
「ほら、アイス」
ベッドから体を起こして、差し出してきたソーダ味のアイスを受け取る。
「ウマイ」
アイスにかぶりつく。
「あー……ジメジメしてて暑ぃ」
「っ…………!!」
そう言いながら濡れた髪をかき上げる姿は妙に色気があって、思わず息を呑んだ。
え、えろい!やっべー……、今のかなりキた!!
これが水も滴るなんとやら、ってやつ?
「どした、古市?何か顔赤ぇぞ」
「べっつに?暑ぃからじゃねぇの」
服の中に空気を入れるようにパタパタと胸元の服の端で扇ぐ。
「…………なんだよ」
男鹿にジーっと見つめられる。
「いや、エロいなと思って」
「…………馬鹿だろお前」
「とか言いつつ顔、さっきより赤ぇぞ」
「黙れ」
男鹿から顔を反らす。
俺からしたらお前のがよっぽどエロい。
「濡れてんのが余計エロくてやべぇな」
「黙れって…………ん……」
唇が触れ合う。
「っ…………は、ん……」
「………古市……」
そのままベッドに押し倒される格好になる。
「男鹿……………、ヤんの?」
「お前はシたくねぇの」
「そういう訳じゃ……、ねぇけど」
お前のせいでこっちだって変な気分になってんだよ。
「………見れば見るほどエロいな」
「…………お前に言われたくねー……」
男鹿に聞かれないように言う。
「なんか言ったか?」
「うんや?男鹿って格好良いよなー、って」
「嘘つけ」
「本当だって!それよりするんだろ?」
「おぅ」
「あ、でも」
自分から男鹿の首に手を回す。
「先にキスしたい」
これぐらいのお願いくらいいいだろ?
「………お前キス好きだよな」
「違ぇよ」
「男鹿とすんのが好きなんだよ」
その言葉は男鹿に火をつけるには十分すぎるものだ。
「あんま、煽んな……優しく出来ねぇぞ……?」
「良いよ、俺は」
「…………っばか」
本当に知らねぇからな?
次の日。
古市が腰砕けになって立てなくなったのは言うまでもない。
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雨の日もイチャイチャww
二人とも色気満載で変な気分になっちゃうよねーっw
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