「古市、」
名前を呼ばれた。
どうせまたろくな事を言わないんだろう。
返事をするのもだるい。

「無視すんなよ」

無視だ、無視。
お前の我が儘に付き合えるほど俺は暇じゃねーんだよ。

「………お前がそういうつもりなら勝手にするぞ、俺も」
「ごめんなさい。用件は何でしょうか」

コイツを勝手にさせる方が絶対危ない。(俺が)

男鹿は古市を見てヘラヘラ笑いながら言った。


「舐めていい?」


「………………あ?」
思考が一瞬固まる。
何を言ってるんだろうコイツは。

「いや~、お前見れば見るほど甘そうだから。ちょっと味見したくなった」
淡々と述べる。

何だろう。
もう少し甘い雰囲気のときならまだしも、なんかコイツの態度に滅茶苦茶腹立つんだけど。

「死ねば?」
「いーじゃん、減るもんじゃねーし」

なーにを言っとるんだコイツは。

「甘いとか気のせいだから。目の錯覚だから」
「舐めてみねーと分からんだろ」
「分かる分かる。知将だし」
「お前は『恥将』だろ」

それでも少なくとも男鹿よりは良いよ。

「じゃ、キス」
「なんだその妥協案」

相変わらずわけ分からん。
いや、別にキスはいいんだけど。

「ん……、」
色々考えてるうちに口と口はもうくっついていた。

あー………。
なんか本当、キスは好きなんだよなー…………。
男鹿、キスは大体優しいし。

あ、離れた。

「えっ?」

離れた唇に生暖かい感触。
どうやら舐められたらしい。

「やっぱ甘ぇわ」
「あ、……そう」

「古市が甘ぇ………」
「それはもう分かったから、離れろ」
グイグイと押し返すが、びくともせず古市を抱き締めたまま離さない。

「古市がキスしてくれたら離す」
「だからなんだよ、その妥協案」

あぁ、鬱陶しい。

え?じゃあ、一緒に居なければいいって?
それはイヤ、男鹿とは離れたくないんだ。
一応これでも好きだし。
だから正直、このままの体勢でも悪くないと思ってる。

「男鹿、キスしなかったら離さねーの?」
「死んでも離さん」

なんだソレと笑ってやりたくなったが、そのまま俺の方から抱きついた。

「なら俺からは一生男鹿にキス出来ねぇな」
流石の男鹿でもこの意味くらいは分かんだろ?

返ってきたのはやっぱり望んだ通りの言葉だった。

「そんなことしなくても、一生離すわけねぇだろ」

だから俺からもやるよ。
お前が欲しい言葉。


「俺も一生離れてやんねーよ!」
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