*くっつく未満




「古市君てさー、男鹿ちゃんのこと好きだよねー」

間延びした声が男鹿と古市とべる坊の間に通った。

「え?」
眉間に深い皺を寄せて顔の筋肉をひきつらせたまま夏目を見る。
その明らかに嫌そうな顔に楽しそうな笑みを浮かべて男鹿と古市を交互に見た。

「だってそうでしょ?いっつも一緒にいるじゃん」
「それはコイツが離れないだけであって俺から一緒にいるわけじゃないッスよ」

ウンザリと肩を落とす古市。

「でも好きじゃなきゃずっと一緒にいれないよね」

なんなんだろうこれは。夏目先輩は俺に男鹿を好きだと言わせたいのか。
どう考えても遊ばれてるとしか思えない………そういや神崎先輩達いないな……だから暇潰し、ですか。
あーもうこの人も大概Sだよなぁ。

そりゃ少しは……1ミクロンくらいは男鹿のこと好きだけどもね?
あ、もちろん友達として。10年弱ずっと二人で一緒に人生歩いて来たんだから当たり前じゃないか。
お互いの良いとこも悪いとこも知り尽くして、それでも一緒に居られるっていうのはやっぱり好きだから。
男鹿のこと、好きだから。

好き……………

「って違う違う!!好きじゃないです!!途中から勝手に変なモノローグいれないで下さい!!」
「えー」

ざんねーん、と楽しそうな夏目を他所に、今まで口を開かず古市がなんと答えるのか見守っていた男鹿がようやく口を開いた。

「俺のこと好きじゃねーの?」
「えっ?…あ、当たり前だろ!?好きじゃねぇよ!!」

改めて聞かれる恥ずかしさのあまりに不自然なほど強く否定してしまった。
古市の言葉にショックを受けるでもなく男鹿は古市の顔を覗き込んで見つめる。

「じゃ、俺のこと嫌いなのかよ」
「ちっ、近ぇよバカ!!」

男鹿の体を押し返すと、両腕を掴まれ神妙な顔で距離を詰められて戸惑う。
これくらいの距離、いつものことなのにどうしてこんなにも居心地悪いんだ。
つーかお前も何でそんな真剣な顔してるわけ?おかしいだろ!

俺がお前を好きか嫌いかで何でそんな顔してんだ。
喧嘩してるときでも見たことねーぞ?
………やっぱ男鹿って顔だけはいい、よな。
口さえ開かなけりゃ確かに整った顔してるしつり目で男らしいし体格もいい。
邦枝先輩が惚れてしまうのも分からないわけじゃない。

古市がぼーっと男鹿を見つめていると急に顔が前に引っ張られ、何事かと思うと男鹿の手が自分の顔を包んでいることに気付いた。


「で、嫌いなわけ」
「………っ、…だから…」


近いって………!


「な、古市」

眉を潜め、なんとなく情けない顔をする男鹿に嫌いなんて言えなくて。


「嫌いじゃ、ないけど」
「そーか」


嬉しそうな顔で笑いかけられたらなんだかむず痒くて顔を思いきり背けてしまった。

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くっつく前のおがふるは新鮮でしたw
いつもくっついてるのばっか書いてたから楽しかった・・・・
途中から夏目先輩がいなくなったのは神崎君が帰ってきたからそっちに行かれましたw
夏目先輩の自由さが好きです。

でも古市君はもっと好きです
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