「離れたくねーな」
隣で男鹿が呟く。
それは何と……いや、誰と?
「べる坊?」
背中に張り付いたままスヤスヤと眠る赤ん坊に視線を移す。
魔王の赤ん坊ではあるが寝顔は可愛い。
「ちげーよ。古市とに決まってんだろ」
…………俺はどっちかっていうと離れたい。
「離れたいっつっても離してくれねーくせによく言うな」
このワガママオーガめ。
「古市は俺と離れてーのかよ」
「え、うん」
「即答とか、うわ」
そんな非難な目はお前にだけは向けられたくない。
「古市は死ぬまでずっと一緒に居ろよ」
「えー……お前と一緒にいたら一生俺結婚できなくね?」
幸せ家族計画がパアだ。
「古市は俺と結婚すりゃあいいじゃねーか」
「イヤダ」
「何で」
「仮に日本が同性婚OKだったとしてもイヤだから」
「何でだ」
いやそんな真顔で聞いてくんなよ。
なんだ、お前はマジで俺と結婚したいんか。
「だいたいお前魔王の親だろ?魔界に連れて行かれんじゃね」
「その時は古市も連れていくし、向こうでも結婚は出来んだろ」
「いやいやどのみちしないから」
「じゃあ結婚はいいから一生側に居ろよ」
「結婚とあんま変わんなくね?」
「夫婦じゃねーじゃん」
「うん、そうだけどさ……」
なんかもうこの流れだりぃ。
男鹿キモい。
「とにかく古市は一生俺から離れんな」
「まぁ、幸せにしてくれんなら考えとくわ」
お前と出会ったせいで不幸ロードまっしぐらだけどな。
「じゃあ幸せにする」
「………………」
なんでそこで格好良く笑うわけ?幸せにされたいとか思うだろ。
「……………頑張って」
「任せとけっ」
ずっとこのままの二人が続いていくような気がする。
結婚なんかしなくたっていい。
だってお前が俺を離さない限りきっと一緒だから。
(ずっと一緒に居られたら)
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死ぬまでイチャイチャしとけよ!もう!!
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