今日は可愛い女の子とデートだった。
でも俺はデートに集中出来なくて途中で帰った。

俺の頭の中に、デートの最中でも存在していたお前のせいで。




―――――――――――――――――――――――――――

「お前今日デートとか言ってなかったか?」

「……………うっせぇ、中入れろ」
「お、おぉ」
玄関を通し、男鹿の部屋に古市を招く。

「…………」

古市の機嫌が悪い。
デートに行く前は嬉々とメールを送ってきたのに。

「……振られたのか?」
「……………」
首を横に振る。
表情は変わらず、暗い。

「古市?」
「……………」
「とりあえず座れ」
ベッドの上に促すと、勧められるままそこに座る。
男鹿も隣に腰を下ろす。
古市はゆっくりと口を開いた。

「……………楽しく、なかった」
「…………」
黙って聞く。

「デート楽しみにしてたのに、なんか楽しくなくてさ………、相手に悪いから………帰ってきた」
「何で、楽しくなかったんだよ」

「知らん。…………ただ、なんか違うなって………思ったら、急に帰りたくなった」
「……………?」

隣に目をやると視線がかち合った。
古市は男鹿から視線を外そうとしない。

「……………男鹿」
「ふ、る……いち」

古市が男鹿に近寄り、密着する形になる。

「ごめん…………」
「…………いいけど」

なんとなく古市の肩に手を回し、そのまま自分の方へ抱き寄せる。
抵抗はない。

「…俺……男鹿に………」
「……………」


「男鹿に、会いたかったんだ」


「………………そうか」

「それがめちゃくちゃ腹立ってさ………、嫌になった」
「俺が?」
「俺が、だよ」
苦笑する。

「まぁ、俺はいつでも古市に会いたいけどな」
「いっつも一緒に居んのに?」
「おう」
「じゃあ俺も」






俺はまだこの感情を知らない。




分かることは、

俺が男鹿に会いたかったってことだけ。
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