ソレは一週間前から始まった。
そして今日もソレはしつこくある。

「なぁ黄瀬~」
「帰れよ!!しつこいっス!」
黄瀬の教室の前で人目も気にせず声を張り上げる。

怒声をぶつけた相手は帝光バスケ部エース。
青峰大輝。

「お前が俺と付き合うっつーなら」
「嫌だって何回言わせるんスか!?」
「つれねぇな」

そう、バスケ部天下のエースは黄瀬にゾッコンなのだ。
一週間前に告白して断られてから毎日口説いてくる。

「だいたい男同士だし!キモいっスよ!?」
「性別とか小っせぇもん気にすんな!たまたま好きになった奴が男だっただけだ!」
「小っさくない!むしろそこ一番重要!」

周りも黄瀬には正直同情する。
青峰に惚れられたばかりにあんなことになっているのだから。

「俺、青峰っちのこと格好良いとは思うけどバスケ以外は論外っス!」
「格好良いと思ってんならいーじゃねぇか!」
「バスケの時だけって言ったんスけど!?都合の良いとこだけ聞くなよ!」

この激しい言い合いに誰が割って入れるだろうか。
いや、違う。
誰一人としてこれに巻き込まれたくないため近づかない。

「ホント帰って!もうチャイムなる!」
「んなもん知るか。黄瀬が俺のもんになるなら帰る」
「だから嫌だって!」

あぁ、何でこんな奴に好かれちゃったんだろ………
バスケ部入ったの間違いだったっスか?
いや、青峰っちに出逢ったことが間違いっスよね………

「チッ!分かった。もう時間もねぇし帰ってやんよ」

ほっ、と胸を撫で下ろす。

それにしても今日はやけにあっさりっスね…………

少し嫌な予感がした。

「ただし、」
「!?」

後頭部に手を回され、二人の距離が縮まる。

キッ、キスされる!?

咄嗟に強く目を閉じる。
「……………?」
後頭部は相変わらす青峰の手があるが何も起こらない。
恐る恐る目を開けると青峰がククッと笑っているのが目に入った。

「お、前っ!マジで可愛いな!」
「なっ、何!っぅん!?」

今度こそ本当にキスされた。

「ごっそさん!じゃーなっ」
笑顔で走り去っていく青峰に何も言えずただジッと見ることしか出来なかった。

「……………青峰っちのバカ……」
誰も居なくなった廊下に呟く。

「お前も素直ではないな。たった一言、好きと言ってやればいいのだよ」
後ろから緑間に声をかけられる。
「…………緑間っち」
「お前の目を見れば分かるのだよ」
呆れたように言われる。

反論は出来ない。
だって口ではあんなこと言っていても本当はもうほだされている。

「………そっスね」
「ちゃんと伝えるのだぞ」

「…………明日言うっス」
「……………」

今日言うところだろう。

そう思ったが言わなかった。
あの青峰が自慢してくるところなど先延ばしにしてほしい。

俺も損な役だな。



まさかキューピッドをすることになるとは。


―――――――――――――――――――――――――――

青峰→→→→→→←←黄瀬

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