中学のときに初めて他人に憧れを抱いた。

そして恋心を。








「あのさ、青峰っち」
「んだよ」

ストバスコートのベンチで水分補給する青峰に話しかける。

「俺、青峰っちのこと好きッス」
「……………」

知ってるけど、と言いたくなったが敢えて口には出さず耳を傾ける。
黄瀬は中学の時とは違い、時折大人びた笑みを浮かべることがあり、そういう時はよく下らないことを考えている。

「中学の時も好きだったんスけど、俺、最近よく分かんないっス」
「何が?」
「あの時確かに好きだったけど、本当に恋だったのかなって」
「好きじゃねーのに付き合ってたってことか?」
「いや、えーと………そうじゃなくて……」

青峰の眉間に皺が寄る。
以前付き合っていた相手が本気ではなかったかもしれない、と言い出したら誰でも気分良くはいられない。
中学の最後に一度終わり、高校でまた始まった関係。
例え今は本気でも昔は違うなんてそんなもの嫌に決まっている。

「好きだったのは好きだったけど…………、恋じゃなくて憧れだったんじゃないかって……」


毎日一緒に練習する内、青峰っちも俺も惹かれ合った。
青峰っちに告白されてOKしたけど、もしかしたら憧れの相手が自分を好きになってくれた嬉しさで頷いたのかもしれない。
嬉しい=恋心だと勘違いしていたんじゃないかと。
でも青峰っちにキスされるのも、触れ合うのも嫌じゃなかったし、むしろ好きだった。
だから恋心なのかとも思った。


「なんでそう思ったんだ」
「今、青峰っちのこと本当に好きだから」
「は?」

意味が分からん。
顔がそれを全面に表していたため、黄瀬はまた笑った。

「青峰っちのことが好き過ぎて………なんか、本当に好きでさー……………うん」
「てめぇはさっきから何が言いてんだっつの」

苛々が募る。
考えるのも相手が思っていることを悟るのも得意じゃない青峰は黄瀬を睨む。
黄瀬はそんな短気な青峰をよく知っているはずだが、今日は珍しく言うのを躊躇っている。


「今、青峰っちのこと好き過ぎて、前のが本当に恋だったか分かんなくなっちゃったッス」


今の『好き』は中学の時の『好き』よりもずっと濃く、強く、ずっと熱い気持ち。
この言葉に表せれない気持ちを以前持っていただろうか。
分からない。今の青峰に対する『好き』の方がずっと強いせいで分からない。
この治まらない熱が恋なら、以前は恋でなかったんじゃないかと思うほど、好きだ。

「だから、前のは本当に恋だったかなー………って思ったんス」

へらっと笑う黄瀬につり上がっていた目元は緩み、飲んでいたペットボトルを置いた。


「下んねぇこと考えてんじゃねーよ。今より気持ちが劣ってたとして、なんで恋じゃなくなんだ」
「青峰っち…………?」
「つーか俺はお前が前に惚れてなくても今更どーでもいい」


そうだ、下らねぇ。
黄瀬が中学で俺に惚れてようと惚れてなかろうと、どっちにしろ最終的に今は俺に惚れてんだから。
あの時俺に惚れてたとしても、高校で初めて俺に惚れたんだとしても同じだろ。

お前は結局


「俺がお前の初恋なら昔でも今でもどっちでもいいんだよ」

頬に片手を添えられ、優しく唇を重ねられるまま身を任せる。

「………ふ、…っ……んん……ぅ」

じんわり溶かすようにゆっくり絡められる熱い舌が口内を侵食していく。
甘い甘い、二人だけのキス。
お互いの味を確かめ合う濃厚な行為もいいが、口移しに熱を分け合うキスはより二人を近付けてくれる。
どちらのものか分からない唾液を飲み込んで、熱を含んだ瞳で見つめる。


「つーか、感情が強い今の方が本気で、前が本気じゃなかったっつーなら」
「?」


「俺も今、お前としてる恋が初恋になるだろ」


「青峰っち、それって…………」


俺と同じように今の気持ちの方が強いってこと?

青峰っちが……ちゃんと俺に恋してる。
WC終わってから告白して、OKの返事を貰っても何処か不安だった。
中学で付き合ってた情で付き合ってくれてるんじゃないかって、思ってた。


「好きに決まってんだろ。じゃなきゃ、おっぱいねぇお前の乳に興奮しねーよ」


「…………最後の激しくいらないッス」


そんなドヤ顔されても…………

あぁ、でもそういう所も含めて、






愛しいこの気持ちが恋なんだ。



唇:愛情(相手に注ぐ愛の気持ち)

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青黄で甘いのリハビリ。
甘いのってこんなんですか?
最近分かりません・・・・・・

でも楽しかったですwwww
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