今日の三時間目は体育だ。

女子は別の教室で更衣を済ませ、男子は自分達の教室で更衣する。
そして古市も気にせず着替えようとしていたのだが………




「ちょ、ちょっと古市君!?ここで着替えるの!?」

「へ?」



邦枝に疑問の顔をぶつけてからあ、と気が付く。
古市は今は女なのだ。男と同じ教室で着替えていいわけがない。



「なら俺は烈怒帝瑠の皆さんと一緒にっ」

「「「「却下!」」」」


「つーことで古市は俺等と―――」

「いーわけねーだろ!古市の素肌を見ていいのは俺「黙れ!!お前は喋んなマジで!」



古市は男鹿をしばいてから自分の体操服を抱き締め、困ったような顔をする。
突き刺さる男子達の期待の眼差し。 ふしだらなその視線に羞恥心を感じる。


トイレ案を出してみたが却下された。

まぁ、いくら古市が女子の格好とはいえ中身は男。
女子トイレでの着替えは許されない。 男子トイレは完璧にアウトだ。




「あ、空き教室とか!!」

「ちょ!もう時間無いじゃない!古市君てきとうに空いてる教室探して着替えて!!」

「は、はい!」



女子達と一緒に教室を出て一人でてきとうに歩いて空き教室を探して見るがいまいち分からない。

もう体育見学でもいいんじゃないか?

なんて思っていると見知った顔を見かけた。




「三木っ!」

「古市君じゃないか。どうしたの?」

「実は……………」


手短に説明すると笑顔で案内してくれた。
生徒会に入っているだけあってそういうことは詳しいようだ。



「あ、あとさ三木………ちょっと頼みがあるんだけど」
「何?」

「三木の体操服………貸してもらえない?流石に自分の大きすぎてアレな気がするからさ」


古市君に自分の体操服を着てもらえるのは嬉しい。
でも今の古市君にサイズが合うと思われてるってことは、自分はそれだけ小さいということで………
嬉しさ半分、哀しさ半分。



「…………うん、少し複雑だけどいいよ」

「サンキュ!」



三木は自分の教室に急いで帰って、直ぐに古市の元へ届けてくれた。


「俺これから着替えるから三木はもう戻ってくれていいよ。終わったら返しに行くから」
「うん、じゃあね」



時間も押しているため、直ぐに着替えて体育館へ向かった。
ちなみに三木の体操服は今の俺にはちょうど良いサイズだった。



「はーっ………なんとか間に合っ……た?」


体育館へ入ると皆自分を凝視してくる。



「えと…………遅刻、してないです、よね?俺………」



まだチャイムは鳴ってないはず。それに先生もまだ来ていない。
なら何故自分を見ているのか、何か変な格好をしているのかと聞いてみた。



「んー、変な格好っていうかー、ちょっと残念かなって」

「どういう意味ですか?夏目先輩」

「前の男のサイズの着て、だぼだぼになってる古市が見たかったとかそんなんだろー?」


他の男子達に話を振る姫川。

そこに男鹿が割って入ってきて俺の目の前に現れた。 しかもなんか怒ってる。
体操服に書かれている名前を指して悪魔の笑みを浮かべた。




「てめぇ、これ三木のじゃねーか………」
「そうだけど………それがなに」

「俺がいんのに他の奴の服着るとはいい度胸じゃねぇの。覚悟しろよ古市」
「はあ?しょーがねぇじゃん。俺のだったらでかくてぶかぶかになんだから」

「うっせぇ!それでもだ!見学しろ!」
「亭主関白気取りかてめぇは!」


命令されたら逆らいたくなるのが人の性だ。
絶対にコイツの言うことなんか聞き入れてやらない。
男鹿と古市がバチバチと火花を散らしていると焦れたのか、邦枝が止めに入った。



「二人とももう先生来たわよ!こっち来て並んで!古市君は参加!いい!?」
「ケッ」
「邦枝先輩にその態度は何だ!」

「いいから早く!」



仕方なく整列し、体育の先生らしき人の言うことを聞く男鹿。
古市は相変わらず突き刺さる男子からの視線には大分慣れたがやはり少し落ち着かない。

確かに今の自分は正直可愛い。 もし自分でなければ彼女にしたいくらいだ。
だから鏡を見る度に目の保養だし、着替える度に何故か罪悪感を感じてしまう。
風呂に入るときなんかほんとに極力目を瞑って入ってる。

寝るときはなんとなく胸を揉んでみたりで女体を満喫。



「おい古市」
「え、なに?」

「バレーだってよ、男女混合。お前は俺と同じチーム」

「全然話聞いてなかった」



もう皆準備に取りかかっていてもうほとんどコートが出来ていた。
男鹿に手を引かれコートまで連れて行かれる。 俺達は体育館の右側のコートで試合らしい。

同じチームに姫川先輩(何故かイケメンモードだし)、寧々さん、花澤さん、夏目先輩、城山さん、その他。

相手チームは邦枝先輩、神崎先輩、千秋ちゃん、陣野さん、相沢さん、その他。

ちなみに東条さんはバイトで今日は来ていない。


試合開始のホイッスルが鳴った。 サーブを打つのは相手チームの邦枝だ。



古市は邦枝がサーブを打つ姿にうっとりと目を細め、ボールが自分に近付いてくるのを見つめていた。

見つめて……………………





「古市!!避けろ!!」

「えっ?み゛ゃああああああああああああ!!!!!!!」


咄嗟に床下にしゃがんだお陰でボールは頭上を通り抜けていった。


「古市君大丈夫!?」

「だ、大丈夫ですけど………びっくりしたぁ」



古市は床にへたりこんで足をペタンとついた。
男鹿が古市に近寄り古市の側にしゃがんで怪我がないかじーっと食い入るように見つめる。


「大丈夫だっつの!どこも痛くないし…………でも声掛けてくれて助かった」


男鹿を緩んだ上目使いで見て笑いかけて、ありがと、と言った。
大きな目でそんな上目使いで、しかも微笑まれたら誰だって心臓が高鳴るだろう。
少なくとも周りの男子達は軽く頬を染めている。

男鹿はそういうことはあまり表情に出ないのか、いつもと変わらない。

ただ古市の顎に手を添え、上に傾けた。




ちゅっ




という音と共に古市が固まる。


「っ……あ、なっ………お、おまっおまっ!!何しやがんだあああああああああああああああ」

「したくなったんだからしょーがねぇだろ?」



周りも呆然。 邦枝はすでに魂が抜けかかっている。
真っ赤な顔で睨んでくる古市は全く怖くなくて、むしろ可愛い。 また我慢出来なくなって軽くキスを繰り返す。



「こ、こらっ!止めろ馬鹿!」

「古市あ~………やべー」


古市の括れた腰に抱きついてしまいたいがそれよりも早く古市に引き剥がされてしまった。
古市は真っ赤な顔をぷぅっ、と膨らませ男鹿からふぃっと顔を反らす。

そんな一連の動作全てを見て男女共に結託した想いを胸の中に生んだ。



((((……………可愛い。))))



さっきまで放心していた邦枝も古市を可愛いと思う。




「古市何で女に生まれて来なかったんだろうな………」



神崎が残念そうに古市を見る。
男のときは明らかに残念度が高すぎて、男にしては綺麗な顔を評価されないのにと。
女子のときはあの可愛さの前では全てがどうでもよくなる。 きっと女に生まれていたら大変な人生だったに違いない。

変な男達に襲われてしまうだろう。



「ま、俺等の身近な女子よりは断然女の子らしいよな」


姫川も古市と烈怒帝瑠を見比べて喉をククッと鳴らした。


「うっさいわね!あんなひ弱だと舐められんだろ!」


寧々が姫川に食いつくと間に邦枝が入った。


「まぁまぁ…………でも、やっぱり女の子らしいほうがいいのかな………」
「あの二人はもうラブラブだから間に入る余地はないと思うけどね~」



夏目はほら、と指差すと男鹿が古市に後ろから抱きついてくっついていた。
古市はもう諦めたようで引き離そうとしない。


「………………」





そうこうしている内にバレーは再開。








最終的には邦枝チームの勝利となった。





残りの教科もやりきり、帰り支度を始めた。




「帰るぞ古市~」
「おぉ」

「帰りフジノ寄る」
「別にいいけど奢らねぇからな」

「……………チッ」
「おいこら何だその舌打ち」



あーだこーだと言っている内に男鹿が贔屓にしているフジノに到着。
古市は少し離れた椅子で男鹿とべる坊を眺めていた。

なんとなく微笑ましい光景に口元が緩む。







「………………古市?」


「え………」


名前を呼ばれて振り向いた先に居たのは



中学時代、古市を追いかけ回していた……………






「た、かしま…………!?」









――――――――――――――――――――――――――――


高島せんぱあああああああああああああい!!!!!!!

が出したかったんだけど気が付いたら体育してた。
ちょっとビックリ。

かなりちょっと最後ムリヤリ感いっぱいだけど別に手抜きなわけじゃないんだからね!!??


五日目は高島先輩が出張ってくる予感!!???わすれてなければ

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