あのあと母さんに事情を説明したら、最初こそ驚いていたがなんか意外と普通だった。

あとほのかは面白がってた。



そして朝、男鹿から届いたメール。



『迎えに行くから待ってろ』




「…………」


ワケわからん。いっつも寝坊してんのは誰だ。
起こしに行ってやってんのは誰だ。しかも男鹿が早起きとか大丈夫か。

つかお前が俺を迎えに来んのとか初めてじゃね?




ピンポーン♪♪


「あらぁ、男鹿君いらっしゃい!貴之なら二階にいるわよ?」

「いや、もう居るよ母さん」
「古市!」

「…………行くぞ。じゃあ行ってくるから」
「いってらっしゃいっ」


やけにニコニコしている母に不穏な空気を感じながら男鹿を引っ張っていく。
男鹿は前を歩く古市を見ながらふと腕を引いた。


「な、なに」
「細いなと思って」
「そりゃ女の子の体だし………」


逆にゴツゴツと逞しいほうがおかしいだろ。


「…………お前さ、今日なんで迎えに来たわけ?いっつも来ねーじゃん」

不可解な顔を向けるとふぃに手を繋がれ、歩き出した。
早足で前を歩く男鹿と歩幅がかなり違うため少し小走りになる。


「………可愛いんだよ」

「んぁ?」

間抜けた声が出た。



「お前男のときだって心配だったのに………………そんな格好襲われても知らねーぞ」
「襲われねーよ」

「いーや、絶対ダメだ。俺から離れんなよ?」
「寧ろお前が一番危険なんだよ」


古市は男鹿を無視してヅカヅカと前を歩いていく。

「古市、せめて歩き方くらいなんとかしろよ」
「は?」
「お前今女だろ」
「あー……………うん」

古市は女の子らしく内股に試しに歩いてみた。
もちろん可愛いが、男鹿はその様子をしばらく眺めている。

「………………」

「なんだよ。何か変?」
「いーや?古市ちょっと手出せ」
「ほぃ」
「よし」


差し出された手を握る。


「………ナニコレ」
「あ?登下校デートにゃ、欠かせねぇだろ」
「デートって………お前……」
「せっかく女になってんだ。人目気にしなくていいだろ」


確かに今は女だ。手を繋ぐことを躊躇う必要なんてない。
いい………のかな

………いいよな



「こっ、恋人繋ぎがいい」
「!////」


言われたまま指を絡ませるとなんだか恥ずかしい。
道行く人々は俺達二人を指して『可愛い』だのなんだの言ってる。
男女はやっぱりいいんだと再確認してしまった。




「あれ?兄貴じゃないっスか!」

電車のホームで中村君に見つかった。
いや、別に見つかりたくなかったわけじゃないんだけど。

俺はなんとなく男鹿の後ろに隠れる。


「誰っスか?その可愛い子」


兄貴には嫁さんいるし………まさか浮気相手とか!?



「古市」
「…………」

「そういや今日古市さん居ないっスね」

「いやこいつが古市」
「…………」

ぐいっと山村君の前につき出される。

まぁ当然?そんなすぐ受け入れるわけもない。



「え」

「今ワケあって女の子になってるっていうか………」

「え」

「だーかーらー!こいつは古市だって言ってんだろが!」


カズは古市(女)を凝視し、目をパチクリさせている。


「ほっ………本当に古市さんなんですか………?」

「うん………俺、古市」

「…………」



言葉が出ない。


そんなカズの様子に古市はカズを上目使いで見上げた。
眉を八の字にショボンとして。


「やっぱ気持ち悪い………?」

そう言われて顔をブンブンと大袈裟に横に振る。



むしろ………


「その、可愛すぎて………何て言えばいいのか………」

「えっ////」


可愛いと言われて顔を赤く染める古市に男鹿は軽く小突いた。


「俺が言ったときとは随分態度が違うようだが?ん?古市君?」
「おっお前は男のときだって言ってくるからっ………」
「古市さんと男鹿さん今超お似合いっスよ!」


言い合ってる二人は本当にカップルみたいだ。


「カズもいいこと言うじゃねぇか」
「ないない」

「古市さんは照れ屋なんすね!」
「山村君、それ激しく違うから」



一緒の電車に乗りながら三人でぺらぺらと話していたのだが……

改札を抜けたら山村君は


「じゃっ、お二人の邪魔しちゃ悪いんで先に行きます!」


それだけ言い残して走り去って行ってしまった。
男鹿は全くいらない気遣いをしてくれやがった山村君を「さすが俺の子分」とか言ってる。


「最悪」
「ほら、手繋ぐぞー」
「繋がねーよ」


男鹿を無視して歩く。


つか…………なんか視線が……
みんな見てる?え、俺なんかしたっけ?
まさかスカートが捲れてパンツ見えてるとか!?


チラッと一応確認したがそんなことはない。



「何か俺変だったりする?」
「見た目は全然」
「どういう意味だコラ」
「そういう意味だコラ」


「……………俺、さっきから見られてねぇ?」
「あー………」
「何で?」


男鹿は古市の不可解そうな顔におしえてやった。


「可愛いから見てんだろ」
「誰が」
「お前が」

指を突き立てられ古市はプッと吹き出した。
何故笑うのかと今度は男鹿が不可解な顔をする。


「お、おまっそんなベタなことよく言うなっ……!恥ずかしっ」
「……………古市君」
「ぅあ?」


ちゅっ


「み゛っ」
「古市君可愛いー(笑)」


頬とはいえ、人がたくさんいる公道でキス。顔が真っ赤になっていく古市に気分を良くする。


「絶対コロス!!!」
「バーカ!」



「………あ、男鹿っ!おはよう!」

「んぉ?」


古市とじゃれあっていると、三木が駆け寄ってきた。わだかまりも解けて今じゃしっかり昔のようだ。
そしてここでもカズ同様突っ込まれる。


「その子は?見ない顔だけど………石矢魔生?」


またしても同じ流れ。同じ会話はもうしたくないのか、男鹿は軽く溜め息をつく。


「面倒くさいから手短に言うよ」

古市は男鹿を押し退けて事情を説明した。







「ふ、古市君だったんだ………//」
「ホント参っちゃうよな~…………」

「てめ、三木。古市が可愛いからって変な気起こすんじゃねーぞ」
「だからお前じゃねーんだから!」
「……………////」



男鹿と古市がまた言い争ってる中で三木は古市の可愛さに見惚れていた。



古市君って男のときも可愛いとは思ってたけど……………
女の子になると本当に可愛い。

それに男鹿とお似合いで……///


「おっ、男鹿も大変だね!」
「へ?何が」

何故か男鹿の変わりに古市が答える。


「だって古市君、こんだけ可愛かったら男鹿は気が気じゃないんじゃない?」
「か、可愛いって…………」
「そーなんだよなぁ……。古市無自覚だし、愛想は振り撒くし」
「そんなことないし」

「いーや古市は俺から離れんな」
「ははっ、やっぱ二人ともお似合いだな」

「だろ?」
「違うから」

「じゃ、僕は出馬さんに呼ばれてるから」


またしても去って行ってしまった。



「どうなんだ………?俺の学生ライフは……!」


「俺とラブラブすりゃいいんじゃね?」

「お断りします!!せっかくの機会なんだ!女の子とキャッキャするに決まってんだろ!!」




と、意気込んで学校に行ったのはいいもの…………


男子に囲まれやたらチヤホヤされまくり、一日女子と関わることなど出来なかった古市であった。






元に戻るまであと12日。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



二日目・・・・・・・・・・

取りあえずカズ君と三木君出したかっただけっw


東条さんは三日目になるかな・・・・・

大丈夫。
三日目からは総受けな古市書く予定だからwww


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