男鹿と夏祭りにやってきた。近所でやってる小さなお祭りだけど、暗くなった空に打ち上がる花火は本当に綺麗で俺のお気に入り。

いつだったか俺が女の子にフラれた時に男鹿に引っ張ってこられたのが始まりだったのだが、いつの間にか毎年この打ち上げ花火を2人で見るのが当たり前になっていた。

そんなわけで今年も男鹿と2人で、賑わう屋台を眺めながら歩いていた。

「なんか今年人多くね?」

「去年は天気悪かったからなー」

くだらない会話を繰り返しながら人の間を歩く。もちろん、屋台の物色も忘れない。

「お、古市!焼きそば食うか?」

祭りの定番焼きそばの看板を見つけた男鹿が声を弾ませた。

「おごりなら食う」

「買って来るならおごってやる」

「えー…。しょうがねぇなあ」

飲み物買ってくる、と自販機の方へ走っていった男鹿。俺は焼きそばを買うためにその屋台に近づいた。

「らっしゃい!」

看板をくぐれば威勢のいい声で歓迎される。日が落ちたとはいえこの暑い中、よく元気でいられるなと思う。
そんなお兄さんに注文をした。まぁ焼きそばしかないんだけど。

「焼きそばふたつ…って、あれ?」

「ん?おぉ、古市じゃねぇか!」

「こんばんは。東条先輩」

元気なお兄さんが東条先輩でなんだか納得。この人いつも元気だもんなぁ。

「今日はひとりか?」

「いえ、あっちに男鹿いますよ」

「お前らは相変わらずだな。んで、ふたつだったか?」

「あ、はい!」

東条先輩は手際良く焼いていた焼きそばをパックに入れながらこちらを見た。

「そういや花火は見てくのか?」

「はい、見ます。毎年見てるんですよ。でも今年は人多いし…ゆっくりできないかなぁ」

「だったら特別な場所教えてやるよ」

「特別な場所…ですか?」

聞くと、その場所を知っている人は少なく花火は綺麗に見える、といういわゆる穴場を教えてくれるそうだ。
先輩は額に巻いていたタオルを取り、奥にいた人にひとこと声をかけて屋台から出てきた。

「よし、行くか」

「店…良かったんですか?」

「あぁ。もう交代の時間だしな。それに、お前に綺麗な花火見せたいしよ」

「あ…ありがとうございます!」

そう言って笑った東条先輩は男の俺から見ても男らしく、誰にでも優しい先輩のそのセリフは、なんだか少し恥ずかしかった。
それから男鹿と合流し、その穴場へと向かった。祭りの賑わいから少し遠ざかったその場所は夜風が涼しい絶好のスポットだった。

「すごいですね!」

「だろ?」

「これうまいな」

まさに花より団子。男鹿は始まった打ち上げ花火より焼きそばに夢中だ。

「花火見ろよ」

「見てる見てる」

「嘘つけ」

「まじだって。わー、キレー」

「棒読みじゃねぇか!つーかお前っ!その焼きそば俺のぶん!!」

毎年のことだが花火どころではなくなっていた。せっかく東条先輩が良い場所教えてくれたってのに。…ばかおが。

「まぁ落ちつけって。古市、また作ってやっから」

「東条先輩…!」

俺の頭をあやすように撫でながら、相変わらず優しい表情の先輩。

男鹿はというと、焼きそば片手に睨むようにこちら…というか東条先輩を見てる?

「古市はやんねぇからな」

「っはは!とるつもりなんかねぇよ」

「ちょ、何言ってんだよ!」

焼きそばを置いて奪い返すように俺を抱き締める男鹿。恥ずかしいから止めてくれまじで!!

「だからとらねぇって。ま、仲良くやれよ」

そう言い残して東条先輩は笑顔で帰っていった。ほんと、あの心の広さを男鹿にも見習ってほしい。

「ふるいち、」

「ん?」

振り向きざま、その男鹿にキスをされた。全くデリカシーのないやつめ。
まぁでもこれって、男鹿なりの嫉妬なのかな。
そう思うと少しだけ嬉しかった。

でも、

「おがぁ」

「あー?」

「焼きそばくさい」

「まぁ…食ったからな」

所詮、男鹿は男鹿だった。
とはいえ来年も男鹿と絶対来ようって、花火を見ながら思った。





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うきょおおおおおおおおおwwww
ステキな男鹿古←東をありがとうございました!!!!!!!

「東条は好きな人の幸せを願うタイプ」
私もそう思います!!

ああああああ嬉しいですww


【off】のコウ様、本当ありがとうございました^^
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