俺と古市は俗にいう『恋人』ってやつだ。
そんで両想いのラブラブだ。
「……………」
古市は今日も可愛い。
隣で話している内容がどんだけ変態染みてても俺は気にしない。
海のように心が広いからな!
「男鹿、聞いてる?」
「いや全然」
「そこは嘘でも聞いてるって言っとこうぜ…………」
「……………」
興味もないマニアックな話を聞かされるこっちの身にもなりやがれ。
どーせなら、
「俺のこと話せよ」
「えー…………具体的にはどんなこと?」
つまらなそうに男鹿を見る。
「そーだな……じゃ、俺の好きなとこ五個以上言え」
「ねーよ」
真顔で言わなくてもいいだろ。
さすがに傷つくぞ。
「…………俺達付き合ってるよな」
「今更だろ」
そこはキッパリと肯定する古市。
男鹿のことが好きなのは事実らしい。
人通りの少ない道なら古市はそういう話をしても怒らない。
だから思いきって聞いてみた。
「俺のどこが好きで付き合ってんだよ」
「………それ言わないとダメなのか?別に良くねぇ?男鹿のこと好きならそれでいいじゃん」
「……………」
あ、拗ねてる。
しょーがねぇじゃん。
俺だって恥じらいあるし。
「つか、そういうお前は俺のどこが好きなんだよ」
「……………」
何故にそこで黙る。
自分は言わないくせに相手が言わないとちょっと傷つく古市は人としてどうだろう。
少しの沈黙の末、男鹿が口を開いた。
「俺より弱いとこ」
「………それ、めちゃくちゃいるくね?むしろお前より強い奴のがいねーよ」
眉を潜め怪訝な顔を向ける。
「ちげーよ」
スパーンッと乾いた音に被せてお前はバカかと頭を叩かれた。
「俺が守ってやりてぇって思うくらい弱ぇから、」
「好きなんだよ」
深く鼓膜に響いた気がした。
ヤバイ。
お前がそんなこと言うから……
俺も、
「弱い俺を守ってくれる男鹿が、好きだ」
言っちまったじゃねーか!
(でも、一生変わらないと誓うよ)
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