あああぁぁぁ…………
どうしよう。

「………」

もうちょっとで卒業だってのに。俺は聞き出せずにいる。
いや多分言ったところでからかわれるか流されるかのどっちかだ。

「…………男鹿」
「…………ん?」
「やっぱ何でもない」

言えない。
けど聞きたい。

「言いたいことあんなら言えよ」
「…………」

まぁ別にいいかな。
流される可能性のが高いし。
それにもう忘れてる気がしてならない。

「お前この間告られてたじゃん」
「お?………おぉ」
一瞬顔をしかめたようだが思い出したらしい。

「そん時に………せめて卒業式に学ランの第二ボタンくれって、言われてた」
「あぁ」

そういえばそうだった。
こっちが返事を返す暇もなく相手は走り去っていったから。
『良かったらでいいから!』
と捨て台詞を吐いて。

「あ、あげんのかよっ?」
「さぁ……気が向いたら」

て、てきとうかよ!
そんなもんなのか?
第二ボタンっていったら女の子からしたら超憧れのもんだろ!
好きな人からのなら尚更……………

「お前がそんなんじゃ………その子も諦めつかねーだろ………」
「……………」

「告白は、断ったんだろ?」
「………返事してねぇ」
「マジかよ………検討中?」
「どーでもいい」

頭をボリボリと掻く。
そんな態度が無性にムカついた。
「告白って勇気いるんだ。簡単に出来るもんじゃない」
「………で?」

「だから、返事はちゃんとしてやれよ」
「ふーん………、ボタンは?」

「………………」
あげてほしくない。
けど、俺が決めることじゃない。
古市が考え込んでいると隣で男鹿がポソッと言った。

「別に………古市が欲しいってんなら渡さねぇけど」

「……………?」

はい?


「古市が欲しいってんなら、古市にやる」


「……………」
欲しい!!
が、そんなに食い付くのはどうだ。
ここは冷静に考えなければ……

「べ、別にお前が貰ってほしいっつーなら貰ってやるけど?」

上から目線。
男鹿は素直じゃない古市に溜め息をつく。

「お前……欲しいのか欲しくねぇのかはっきりしろよ」

「………………欲しい」
「おぉ、やる」

その子には本当謝りたい。
男の俺が女の子の夢を砕いてしまったのだから。


「つーか、俺元々お前以外にやるつもりなかったしな」

「…………へぇ」
「反応薄ぃな。喜べよ」

古市は下を向いたまま動かない。
理由は一目瞭然。

「耳まで赤ぇぞ」
「……………////」



嬉しかったんだからしょうがないだろ………?
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