2週間前、青峰っちに告白された。
『黄瀬、好きだ。付き合わねぇか?』
俺は何て言えば分からなくて逃げた。呼び止める声も無視して逃げ出した。
青峰っちの言ってることが理解出来なくて、あの人から目を逸らした。
それがどれだけ酷いことかも考えずに。
あれから俺は避け続けている。
部活でも話さない。
いや、話すことが出来なくなった。
それでも視界の中に捕えてしまうと切なくなる。
前みたいに笑い合いたい。
二人で他愛のない話をしたい。
「…………分かんないっスよ……、何で俺っ泣いて………!」
ぼろぼろと大きな雫が頬を伝い落ちていく。
涙が止まらない。
これが何を意味しているのか、分からない。
今日も涙が止まらない。
―1週間後―
「えぇっ!?嫌っス!絶っ対、イヤ!!」
今日は部活内で6チーム作り、試合するということだった。
黄瀬にとってそのチーム分けが問題なのだ。
それは黒子を含めの主要6人を1チームに一人導入する。
つまりスタメン同士互いをマークしなければいけない。
それをトーナメントで戦っていくのだが、黄瀬チームの一回戦の相手が青峰のチームだったのだ。
試合中、青峰と黄瀬は嫌でも互いをマークすることになる。
「赤司君が決めたことは絶対です。諦めて下さい、黄瀬君」
黒子が黄瀬を見上げる。
「くっ、黒子っちのばかー!」
「なら抱き着かないで下さい。ウザイです」
「いだだだだだっ!!」
腕をつねられる。
「頑張って下さい」
黒子はさっさと自分のチームへ向かった。
―10分後―
「気をつけ!礼っ!」
「「「「お願いしまーす!」」」」
全っ然お願いしたくねー!!
むしろ願い下げっスよ!!!
という黄瀬の心情は無視して試合は進んでいく。
ジャンプボールは青峰に取られ、青峰の先攻だ。
「…………ッハァ……ッハァ…」
20対48
青峰と黄瀬の力にはやはり差がある。
しかし今日はそれだけではない。ボールを持つ黄瀬の目の前には青峰が構えている。
「……ハァッ………ハァッ……ッ」
「黄瀬、」
名前を呼ばれた。
何を言われるのかと、無意識に身構える。
「……………」
「俺が言ったこと、忘れろ」
「!」
青峰の口から出てきた言葉は黄瀬の平常心を奪った。
「…………なんスか、それ」
「黄、」
「人の頭ん中、かき乱すだけかき乱しといてっ………いまさら………!!」
目尻が熱い。
涙腺が崩壊する。
「……っふ……ぅ………ご、めっ」
ボールを手から放し、体育館の外へ走り出す。
「きっ、黄瀬!?待てよ!!」
他の部員はそっちのけで黄瀬を追いかける。
さすがキセキの世代だけあってどちらも速い。
だが体力の消耗の激しい黄瀬と、体力が有り余っている青峰とでは予想するまでもない。
「黄瀬!!」
「…………っっ」
腕を掴んで後ろから抱き寄せた。
黄瀬の肩に顔を埋めて口を開く。
「黄瀬………もう一回聞け」
黄瀬の耳元に口を寄せ、二度目になる言葉を伝える。
「好きだ。俺と付き合わねぇか」
「……………うん」
黄瀬は青峰の腕を外し、正面から抱き着いた。
「俺も好き。青峰っちが、好き」
「…………返事遅ぇよ、バカ」
強く、強く抱き締める。
「遅くなって、ごめん」
涙を流しながら辛そうに言う。
青峰は緩みっぱなしの目尻に唇を寄せた。
「んな顔してごめんとか言うなよ。」
「?」
「他に言うことあんだろ?もっかい言えよ」
頬に手を添えられる。
青峰の意味することが分かり、笑った。
「好き、ずっと」
その後は溶けそうなくらい甘いキスが降ってきた。
(遅くなってごめん)
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