※未来捏造
※男鹿(→)(←)古市
俺も男鹿も二十歳になって、男鹿は実家残って働いていて俺は県外の大学行って一人暮らし。
予定も中々合わず確か前回会ったのが半年くらい前だった気がする。
その時はまだお互い二十歳来てなくて適当にメールとか電話だけで連絡を取るようにしていた。
けど、俺の誕生日が来て向こうから電話で、二十歳だなって言われたら無性にあの悪人顔が見たくなった。
だから、冬休みに入れるつもりだったバイト先の面接用紙をゴミ箱に丸めて捨てて、男鹿に連絡した。
そしたら男鹿も冬休みに連休取ったって言うから、男鹿がこっちに来ることになった。
何で俺から行かないかと言うと男鹿曰わく身内に邪魔されたくないからだそうだ。
ただ顔が見たくなった、そんなテキトーな理由で俺達は半年振りの再会をする。
「で、なんでこーなっかな」
「あ?」
酒の瓶やら缶やらツマミやらで散らかる己の部屋を見てげんなりする。
古市も男鹿も二十歳を越えてからは人付き合いで酒を飲むことが増えたが、どちらも酒に強いのか人前で酔ったことがほとんどない。
だからか、来る前に大量に買い込んだ酒はあっという間に空になっていき、二人とも特に気にすることなく飲み続けていた。
そして古市は気付く。
散らかった部屋の惨状は勿論だが、それよりも何よりも男鹿の様子がおかしいことに。
「なぁ男鹿、お前いつから酔ってたんだよ………」
「あぁ?酔ってねーよふざけんな」
「いやふざけてんのはお前な」
「だから酔ってねーって」
「酔っ払いは皆そう言うんだよ」
最初は普通に並んでコタツに足を突っ込んでふざけながら酒を飲んでいた筈だ。
それなのに何処を境目にしてか、急にボディタッチが増え、仕舞いには何故か後ろから抱えられるように抱き締められている。
優しく腕を回すだけのこの体制はまるで背もたれが出来たようで便利だな、と受け入れた時点で古市も実は酔っていたのかもしれない。
しかし、ふと我に返ってみるとなんともしょっぱい状況である。
「お前これ楽しいか?」
「楽しくはねーな」
「じゃあ何でしてんだよ………」
呆れ顔で首だけ動かして男鹿を振り返ると酒のせいか普段つり上がった三白眼の、少しだけ緩んだ目尻は優しくて目を見開いた。
「古市とこうすんの、嫌いじゃねぇ」
「…………………はぁ?」
いや、これで嫌だとか言ったらお前ぶっ飛ばすけどな。
男鹿が何を考えているかなんて考えるだけ無駄だと分かっている古市は新しい缶を開けるとさらに煽った。
酒を飲むのを止めた男鹿は後ろからしきりに古市の肩に頭をグリグリと押しつけているが、特に気にしない。
酔ったせいで完全に甘えモードに入っている男鹿は好きなようにさせておく方が良い気がしたからだ。
「つーか、あれだな。お前って酔っても顔に出ねぇタイプなんだな」
「だーから酔ってねーって」
「いやいやどう考えても酔ってんじゃん」
「酔ってねーし。普通に古市に触りたかっただけだろ」
「それがもう酔ってるつってんの!」
そもそも今まで素面の時に言われたことが無ければここまであからさまに触れ合ったことだってない。
というかそれは普通女子にすることじゃないんだろうか。
しかし背中から伝わる体温に悪い気はしないため結局好きにさせている。
そんな古市を快く思った男鹿はより密着するように腕に力を少しだけ込めた。
「古市ー………」
「なに」
「何で俺の近くにいねーんだ」
「何でって………俺大学あるし、バイトもあるし」
「ちげーよ」
じゃあ何のこと言ってんだよ。
そう言うと男鹿はふてくされたような目で古市を見る。
「俺はお前の近くにいてーのに、古市は違うだろ」
「…………………やっぱお前酔ってるよ……」
俺ばっかそう思ってて不公平だと暗に言う男鹿にむず痒い感覚を覚えて眉間に皺を寄せる。
俺だってお前と同じだ。
近くに居たいに決まってるだろ。
だからバイト入れる予定を無かったことにしたんだぞ。
意味もなく会いたくなったお前のために。
それを男鹿に伝える気にもなれず、古市は拗ねたようにボソリと呟いた。
「お前だって俺がいない間に女の子と会ったりしてるらしいじゃん。俺は合コンすら行ってねーのに」
「女っつったって姉貴の元烈怒帝瑠仲間だろ。俺はお前と会いたかったし、お前が居りゃそれでいい」
「……………ばっかじゃねーの」
酔っているせいかいつもは言わないような言葉をポンポン吐き出す男鹿に、もっと毒づいてやりたいのに妙な照れくささのせいで顔に熱が集まる。
なんでそういう事を女の子に言わないで俺に言うんだよ、と聞けば返ってくる言葉は分かり切っている。
それは古市も同じで、だからこそ友達に誘われた合コンもつい断ってしまった。
二十歳になって男鹿が傍に居ないのにハッとして、意味もなく内心焦った。
お互い二十歳で、これからも今までのように居られるのかと疑問に思った。
だから、会ってちゃんと顔を見たいと思ったんだ。
「…………俺は男鹿のが、遠い気がした」
「……………!」
男鹿が不安だったのと同じくらい俺も不安だった。
勿論離れていくなんて思っていた訳じゃない。
けど前みたいに馬鹿みたいにハシャいでつまんねーことで笑って、くだんねー話をして確認したかったのかもしれない。
以前と何も変わらないと、そう実感したかった。
「遠くねーよ」
「…………え………」
上背にコツ、と男鹿の頭があたる。
振り返るとはっきりとした声で
「俺はココに居るだろ」
そう告げた男鹿は服越しに背中へ唇を押し付けた。
自分でも何故そうしたかは分からない。
でもそれは、まるでそう宣言した証のような行為だった。
古市の傍に居るんだという証で口付けた。
これからも傍で近くで俺を見ていろと。
「そう、だよな」
「おう」
「お前が俺を解放してくれるわけねーもんな」
「当たりめーだろ」
そう嬉しそうに笑った男鹿につられて古市も笑った。
ずっと同じものを見ていたせいで、こうして離れてみるまで気がつかなかった。
俺と男鹿が未来永劫友達でいられる保証なんて何処にもない。
だけど、男鹿は俺の傍に居るんだとそう言ったから、多分そうなんだろう。
俺が男鹿に不安を感じる分、男鹿も俺に不安になる。
俺が男鹿と離れたくないと思うように、男鹿も俺と離れたくない。
俺がもし男鹿のことを思えば、きっと男鹿も同じように思うんだろう。
『一生俺の隣にいろよ』と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初はもっとアホな話にするつもりだったんですけど………
あらぬ方向へ行ってしまいました(笑)
あ、ちなみに二人ともちゃんと酔ってます
朝起きたらガッツリ二人とも記憶ないです
こういう見た目酔ってないけど酔ってるっていうの好きです
個人的には古市の方がお酒強い気がします
勿論男鹿も強いけど、古市には負けるみたいな(笑)
無自覚に好きなおがふるが大好きです
※男鹿(→)(←)古市
俺も男鹿も二十歳になって、男鹿は実家残って働いていて俺は県外の大学行って一人暮らし。
予定も中々合わず確か前回会ったのが半年くらい前だった気がする。
その時はまだお互い二十歳来てなくて適当にメールとか電話だけで連絡を取るようにしていた。
けど、俺の誕生日が来て向こうから電話で、二十歳だなって言われたら無性にあの悪人顔が見たくなった。
だから、冬休みに入れるつもりだったバイト先の面接用紙をゴミ箱に丸めて捨てて、男鹿に連絡した。
そしたら男鹿も冬休みに連休取ったって言うから、男鹿がこっちに来ることになった。
何で俺から行かないかと言うと男鹿曰わく身内に邪魔されたくないからだそうだ。
ただ顔が見たくなった、そんなテキトーな理由で俺達は半年振りの再会をする。
「で、なんでこーなっかな」
「あ?」
酒の瓶やら缶やらツマミやらで散らかる己の部屋を見てげんなりする。
古市も男鹿も二十歳を越えてからは人付き合いで酒を飲むことが増えたが、どちらも酒に強いのか人前で酔ったことがほとんどない。
だからか、来る前に大量に買い込んだ酒はあっという間に空になっていき、二人とも特に気にすることなく飲み続けていた。
そして古市は気付く。
散らかった部屋の惨状は勿論だが、それよりも何よりも男鹿の様子がおかしいことに。
「なぁ男鹿、お前いつから酔ってたんだよ………」
「あぁ?酔ってねーよふざけんな」
「いやふざけてんのはお前な」
「だから酔ってねーって」
「酔っ払いは皆そう言うんだよ」
最初は普通に並んでコタツに足を突っ込んでふざけながら酒を飲んでいた筈だ。
それなのに何処を境目にしてか、急にボディタッチが増え、仕舞いには何故か後ろから抱えられるように抱き締められている。
優しく腕を回すだけのこの体制はまるで背もたれが出来たようで便利だな、と受け入れた時点で古市も実は酔っていたのかもしれない。
しかし、ふと我に返ってみるとなんともしょっぱい状況である。
「お前これ楽しいか?」
「楽しくはねーな」
「じゃあ何でしてんだよ………」
呆れ顔で首だけ動かして男鹿を振り返ると酒のせいか普段つり上がった三白眼の、少しだけ緩んだ目尻は優しくて目を見開いた。
「古市とこうすんの、嫌いじゃねぇ」
「…………………はぁ?」
いや、これで嫌だとか言ったらお前ぶっ飛ばすけどな。
男鹿が何を考えているかなんて考えるだけ無駄だと分かっている古市は新しい缶を開けるとさらに煽った。
酒を飲むのを止めた男鹿は後ろからしきりに古市の肩に頭をグリグリと押しつけているが、特に気にしない。
酔ったせいで完全に甘えモードに入っている男鹿は好きなようにさせておく方が良い気がしたからだ。
「つーか、あれだな。お前って酔っても顔に出ねぇタイプなんだな」
「だーから酔ってねーって」
「いやいやどう考えても酔ってんじゃん」
「酔ってねーし。普通に古市に触りたかっただけだろ」
「それがもう酔ってるつってんの!」
そもそも今まで素面の時に言われたことが無ければここまであからさまに触れ合ったことだってない。
というかそれは普通女子にすることじゃないんだろうか。
しかし背中から伝わる体温に悪い気はしないため結局好きにさせている。
そんな古市を快く思った男鹿はより密着するように腕に力を少しだけ込めた。
「古市ー………」
「なに」
「何で俺の近くにいねーんだ」
「何でって………俺大学あるし、バイトもあるし」
「ちげーよ」
じゃあ何のこと言ってんだよ。
そう言うと男鹿はふてくされたような目で古市を見る。
「俺はお前の近くにいてーのに、古市は違うだろ」
「…………………やっぱお前酔ってるよ……」
俺ばっかそう思ってて不公平だと暗に言う男鹿にむず痒い感覚を覚えて眉間に皺を寄せる。
俺だってお前と同じだ。
近くに居たいに決まってるだろ。
だからバイト入れる予定を無かったことにしたんだぞ。
意味もなく会いたくなったお前のために。
それを男鹿に伝える気にもなれず、古市は拗ねたようにボソリと呟いた。
「お前だって俺がいない間に女の子と会ったりしてるらしいじゃん。俺は合コンすら行ってねーのに」
「女っつったって姉貴の元烈怒帝瑠仲間だろ。俺はお前と会いたかったし、お前が居りゃそれでいい」
「……………ばっかじゃねーの」
酔っているせいかいつもは言わないような言葉をポンポン吐き出す男鹿に、もっと毒づいてやりたいのに妙な照れくささのせいで顔に熱が集まる。
なんでそういう事を女の子に言わないで俺に言うんだよ、と聞けば返ってくる言葉は分かり切っている。
それは古市も同じで、だからこそ友達に誘われた合コンもつい断ってしまった。
二十歳になって男鹿が傍に居ないのにハッとして、意味もなく内心焦った。
お互い二十歳で、これからも今までのように居られるのかと疑問に思った。
だから、会ってちゃんと顔を見たいと思ったんだ。
「…………俺は男鹿のが、遠い気がした」
「……………!」
男鹿が不安だったのと同じくらい俺も不安だった。
勿論離れていくなんて思っていた訳じゃない。
けど前みたいに馬鹿みたいにハシャいでつまんねーことで笑って、くだんねー話をして確認したかったのかもしれない。
以前と何も変わらないと、そう実感したかった。
「遠くねーよ」
「…………え………」
上背にコツ、と男鹿の頭があたる。
振り返るとはっきりとした声で
「俺はココに居るだろ」
そう告げた男鹿は服越しに背中へ唇を押し付けた。
自分でも何故そうしたかは分からない。
でもそれは、まるでそう宣言した証のような行為だった。
古市の傍に居るんだという証で口付けた。
これからも傍で近くで俺を見ていろと。
「そう、だよな」
「おう」
「お前が俺を解放してくれるわけねーもんな」
「当たりめーだろ」
そう嬉しそうに笑った男鹿につられて古市も笑った。
ずっと同じものを見ていたせいで、こうして離れてみるまで気がつかなかった。
俺と男鹿が未来永劫友達でいられる保証なんて何処にもない。
だけど、男鹿は俺の傍に居るんだとそう言ったから、多分そうなんだろう。
俺が男鹿に不安を感じる分、男鹿も俺に不安になる。
俺が男鹿と離れたくないと思うように、男鹿も俺と離れたくない。
俺がもし男鹿のことを思えば、きっと男鹿も同じように思うんだろう。
『一生俺の隣にいろよ』と。
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最初はもっとアホな話にするつもりだったんですけど………
あらぬ方向へ行ってしまいました(笑)
あ、ちなみに二人ともちゃんと酔ってます
朝起きたらガッツリ二人とも記憶ないです
こういう見た目酔ってないけど酔ってるっていうの好きです
個人的には古市の方がお酒強い気がします
勿論男鹿も強いけど、古市には負けるみたいな(笑)
無自覚に好きなおがふるが大好きです
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