「なんでこんなことになってんだろうな……」
背の高い草木に囲まれ足は宙にぶらぶらと投げ出し少しの浮遊感にげんなりする。
だって最悪だ……なんだってこんな……
「男鹿に姫抱きされるとか……マジ最悪」
「俺だってしたくねーっつの。大体お前が足くじくから悪ぃんだろ」
「元はと言えばお前が無理矢理こんなとこ連れてきてツチノコ探すとか言うからだろーが!っ、わ」
暴れると感覚が不安定になり流石に怖かったのかで男鹿にしがみついた。
するとその反応に嫌な笑みを浮かべる魔王が一人。
「何?怖ぇーの?ふーん?」
「怖くねーよ、なんだよ」
「落とされたくなかったらコロッケおごれよ?」
「テメッ、汚ねぇぞ男鹿!」
男鹿のせいで怪我したってのにその上コロッケおごれとは何事か。
ふざけんな今月金欠なんだよ!いや金欠じゃなくても嫌だけど!!
理不尽な男鹿を下から睨み付ける。
「自分で歩くからいい!下ろせ!」
「後でやっぱり助けろとか言われても知らねーぞ」
「心配しなくても言わねぇよ!バーカ!」
男鹿は仕方なく下ろすと左足を庇いながらヒョコヒョコと先を歩き始めた古市を眺めため息をつく。
古市も頑固なもので男鹿同様言ったら聞かない。
そんな古市に何がムカついたのか、男鹿は古市を素通りしスタスタと先を歩く。
「……………!」
それが癪に触ったのか、古市は足を無理に動かし男鹿を抜かそうとするが突然の痛みに足が止まる。
見るとそこはさっきよりも腫れ上がり痛々しい。
………色、えぐい……キモい。
もしかして骨をやってるかもしれないと思うと痛みがさらに増した気がした。
そんな古市を見かねたのか男鹿が進むのを止めて戻ってくる。
「だから言ったろーが」
「わっ………」
再度抱き上げられ体が軽々と宙に浮く。
男としてこんな風に姫抱きにされるのは恥ずかしいし情けない。
なんでこんなに体の作りが違うんだろうか。神様はつくづく不平等だと思う。
「………ほんと、不平等」
「あ?何か言ったか?」
「うっせーな、こっちの話だよ」
「あっそ………つーか古市お前ちゃんとメシ食ってんのか?」
「食ってっけど………何?」
見上げると男鹿は古市の体の節々に目を落とし、観察しているようだった。
視線がくすぐったい。そのむず痒さに目を背けると男鹿は馬鹿にするようにハッ、と笑った。
「こーんなヒョロヒョロの体でよく彼女作るとか言えるなー古市君?」
「今それ言うことかよ!どーせ俺はお前と違って体はひょろいし喧嘩も弱ぇよ!」
自分で言ってて虚しい。大体男は腕っぷしよりも中身だろ?優しさだろ?
なのにコイツのが俺よりモテるとか何かの間違いに決まってる………!
「だろ?弱ぇんだから彼女は諦めろ」
「いーや!絶対諦めねーから!お前に先越されるとか絶対いやだ!」
「俺は……一生んなもん作らねーし、いらねーよ」
「え、何お前……将来孤独死コースまっしぐらじゃん」
いやそーいう意味じゃねーよ、と突っ込むべきか突っ込まないべきか。
男鹿は立ち止まり古市の方へ首を傾けた。近い、とお互い思ったが口には出さなかった。
「これから先も俺は彼女なんか作らねぇ。だから、お前も作んなくていいだろ」
「は?それどういう意味………や、いいわ」
男鹿が言いたいのは、男鹿が先越すことはないから安心してお前も作らなくていい、ってことだろう。
あれ?やっぱり意味が分からん。
「別に俺はお前より先に、とか以前に普通に好きな子出来たら付き合うぞ?」
「知るか。俺がいらねーつってんだからお前もいらねーだろ」
痛い程ではないが、心なしか肩と足を支える手に力が籠った気がする。
立ち止まったまま目付きは鋭く古市を睨み付ける。
怒るというよりも拗ねているようなそれに古市は眉を潜めた。
「お前さっきからどーしたわけ?意味分かんねーこと言うなっつーの……」
「分かれよバカ古市」
「分かんねーから聞いてんだろバカ男鹿」
古市のその言葉に男鹿は舌打ちをするとさらに首を傾け、
ちゅ
「こういう意味」
唇の隙間から聞こえた小さな音は今何をされたか自覚するのには十分で。
「…………っ、な……なんっ」
「バーカ」
ぶわーっと赤くなる白い肌に満足したのか、男鹿は無邪気に笑った。
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最近馴れ初めネタしか書いてない気がします(笑
いや、これ馴れ初めではないですけど。
付き合ってるおがふる書きたいんですけど・・・
おがふるって付き合う前から夫婦してるから・・・・今更ネタが多いんですよね。
いや、今更ネタ大好きですがw
本誌が古市天国すぎて死にます。月曜はよ来い。
ジャンプの感想もFree最終回の感想も書きたいですが・・・
あ、Freeの推しCPは断然遙凛です!!
遙凛の話も短編下部の『その他』に上げているので良ければ見てください^^
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