「「「「……………」」」」
四人の間に沈黙が走る。
リヴァイの執務室のソファでアルミンを組み敷いていたエルヴィンは、壊す勢いで開いた扉に瞬時に手を引いたが遅かった。
入ってきたリヴァイは怒っている所の話ではない。
米髪には青筋が浮かび上がり、いつ血管がぶち切れてもおかしくない。
リヴァイに連れられてきたエレンはエレンでポカンと目を真ん丸にして口は半開きだ。
これは、ヤバい。
「エルヴィンよ……俺の部屋で何してやがる」
「お、落ち着けリヴァイ、誤解だ」
「ほう……ならさっきのはなんだ」
さっきの、は明らかにエルヴィンがアルミンを押し倒していた光景のことだろう。
アルミンは異様に顔を赤くして目を反らしている。
ここで変に慌てても墓穴を掘るだけだろうと呆れたように答えた。
「足元がもつれてそのまま彼を巻き込んで転倒してしまっただけだよ」
「本当か、ガキ」
「はっ、はい!団長を支えようとしたのですが……恥ずかしながらそのまま一緒に転倒してしまいました」
「アルミン……」
それでもエレンは疑っているような目で本当に?と訴えてくるが、これは事実だ。
「本当だよエレン!僕と団長がそんなわけないじゃないか!」
「そ、そうだよな!そんなわけないよな!あービックリした!」
「はっ、どうだかな」
リヴァイはエルヴィンを見ずにアルミンを見るが直ぐに視線は反らされてしまった。
エルヴィンは長年の経験のお陰である程度の感情を相手に悟らせないようにするくらいわけないが、アルミンは違う。
まだ15歳の少年にそんなことが出来るはずもないのだ。
「………………」
兵長からの視線が痛い。
だけど団長の足元がもつれて一緒に転倒したのは事実だ。
そこまでは、事実だ。
*****
リヴァイの部屋に行く途中、エルヴィンを見つけた。
本当は避けてしまいたかったがそんなことは礼儀正しいアルミンには出来なかった。
「団長も兵長の部屋に御用ですか?」
「あぁ、次の作戦のことでちょっとね。君は……エレンかな?」
「はい。少し聞きたいことがあるので……、あっでも団長達の話の邪魔はしませんから!」
「ははっ、別にいいよ。君の意見も聞いてみたい」
「そんな、僕なんかの意見なんて……」
「アルミン、君はもっと自分に自信を持つべきだ。………あぁ、着いてしまったね」
もう少し話していたかったと笑いかけられ、顔に赤みが差す。そうだ、最近団長はおかしいと思う。
もしかしたら自意識過剰なだけなのかもしれないけど、団長と話していると口説かれているような……そんな感じがする。
尊敬する人にそういうことを言われるのは嬉しい。
でも勘違いだったらかなり恥ずかしい……いや、本当に口説かれてても困るんだけど……!
だから極力会わないようにしてたのに。
エルヴィンがノックをして中に入ると誰も居なかった。
「誰もいないな……帰ってくるまで座って待とうか」
「あ……いえ僕はまた後で……」
「気を遣わなくても大丈夫、直ぐ帰ってく……っ!」
「団長!?」
下を見ていなかったせいか足元がもつれ体が地面に倒れそうになるが、咄嗟にアルミンが支えようとしたお陰でソファの上に二人まとめて倒れ込んだ。
「だ、大丈夫です、か……?」
「あぁ……私は大丈夫だ。歳のせいかな……君は?」
「大丈夫です……支えるつもりがすみません」
自分の下で俯く少年は申し訳なさそうに謝るが、こっちの方が申し訳ない。
上司を支えようとして一緒に倒れた部下の体に触れられたことに不謹慎にも喜んでいるのだから。
これはそろそろヤバいかもしれない。
リヴァイにバレたらなんて言われるか………いや、あいつも私と同じことをしているから文句は言えまい。
「あの、団長………そろそろ退けて頂いても……?」
「…………私はもう少しこうしていたいよ」
「ちっ……近いです!」
「嫌かな?」
胸板を押し返してくる男の中ではかなり小柄な手を取ると俯いてしまった。
耳まで赤くするアルミンの髪をするりと撫でると微かに震えている。
確かに一回り以上も歳が離れているオジサンに迫られれば震えるのが普通だろう。
むしろ普通は張っ倒して罵声を浴びせて逃げる所だ。
「大丈夫、何もしない。だから怖がらないでいいよ」
「ぁ………その、嫌とかではなくて……えと…」
おずおずと上目使いで見上げてくるアルミンに40代のオジサンの心はかなりキリキリと痛む。
イケナイことをしているのは重々承知しているが、これは……
「エルヴィン団長…………?」
「……………アルミン」
柔らかい頬に触れるとビク、と体を揺らしたが嫌がる様子はなく、揺れる瞳にキスを落とすとさらに顔を赤くするのがかなり可愛い。
ミカサやエレンが守りたいと思うのも頷ける。ヤバいな、さっきからヤバいけどもっとヤバい。
アルミンの顔を上に傾けさっきよりさらに顔を近付ける。
「エルヴィン、団ちょ……っ」
「嫌なら突き飛ばしていいから」
どうしよう………胸が熱くて、凄くドキドキする。
顔、近い………目を閉じた方がいいんだろうか……もしかしてこのままキス、しちゃうのかな……
「………ぁ…」
アルミンが目を瞑り、互いの距離が残り1㎝となった時だった。
けたたましい音を立てて扉がリヴァイによって開けられたのは。
*****
こんなことになって真実なんて………死んでも言えない!!!!
なんとしても隠し通さないと団長の立場が………!!
「んで?エルヴィン、本当のとこはどうなんだ。このクソガキに何しようとしてやがった」
「だから何もしてないさ。大体仮に私がアルミンに手を出していて何の問題があるんだ?」
勿論リヴァイの執務室でっていうのはさすがに申し訳ないが……
「あぁ?一回り以上も年下のガキに手ぇ出してたら犯罪だろうが。立場ってもんを考えろ」
「………………?」
あれ?今凄く聞きづてならないことを聞いたような気がするんだが気のせいかな?
『一回り以上も年下のガキに手ぇ出してたら犯罪』
そうか、私は犯罪者か。いやいやいや待て待て待て!!!それはおかしい!!!!
「リヴァイ、君にだけは言われたくないんだが!!??」
「あ?」
「自分のことを棚上げしてよくそんなこと言えたな!?リヴァイだってエレンに手ぇ出してるじゃないか!」
「俺は手は出してねーよ。口だけだ。なぁエレンよ」
今まで二人のやり取りをポカーンと見ているだけだったエレンはいきなり話を振られ驚くが縦に首を必死に振る。
「はっ、はい!!そうです!口だけです!!」
「えっそうだったの!?」
口だけの意味に気付いたのかアルミンは顔を赤くしてリヴァイとエレンを交互に見る。
エレンはかあっとアルミン同様頬を染めて戸惑うように、黙っててごめんと手を合わせた。
「口だけって……それが手を出してるってことじゃないか……」
「俺は未だ嘗てエレンの服の中に手を突っ込んだことはない。つまり手は出していない」
「屁理屈だ……!」
「ちなみに押し倒したことすらねぇからな。なぁエレン?」
またも話を振られ、必死に頷くエレンを可哀想にと眺めていると此方にも飛び火が来た。
「確かにさっきのは押し倒していたように見えたかもしれないがそれは事故だし、アルミンには何もしていない。そうだね?」
「は、はい自分は何もされていないので………何、も……」
じわじわと火照ってくる熱を抑えようとするが意識すればするほど顔に熱が集まってくる。
これじゃ何かありましたと言ってるようなものじゃないか!
や、でも未遂だし!!されそうにはなったけど!!
「埒があかないから一度出直すよ。アルミンも来なさい」
「えっ」
「何かするつもりであんな勢いで入ってきたんだろう?邪魔して悪かったね」
アルミンの手を引いて部屋から出ていこうとするエルヴィンに忠告する。
「まぁ、手ぇ出すならせめて合意でしろよ」
「…………分かってるさ」
二人が出ていった後、その言葉にエレンは納得いかないとでも言うようにリヴァイを睨んだ。
「なんだその目は」
「俺達のは合意なんですか?」
「お前、俺のこと好きだろうが」
「それは………そうですけど……、兵長は言ってくれてないじゃないですか」
「…………面倒くせぇガキだな」
「う、わっ………!」
膨れっ面のエレンを強引に引き寄せるとそのまま壁際に押さえ付ける。
近距離で睨み付け手を後頭部に回して固定してしまえば、エレンは眉を八の字に曲げ目尻を赤く染め上げた。
視線を斜め下に向けて合わせようとしないが、構うことなくさらに顔を近付ける。
吐息がかかる程の距離に頬の赤みが増していくエレンを苛め倒してやりたいのを抑え、舌打ちを打った。
「エレン」
「兵長……」
「俺は何だ」
突然の質問に疑問を浮かべるが漠然と答えた。
「人類最強………とか?」
「あとは?」
「三十路…………」
「殴るぞてめぇ。まぁいい……他は?」
背が小さい、はさすがに言ったら削がれる。間違いなく削がれる。他に何かあったっけ………?
兵長の特徴…………あ。あった。
「潔癖性、ですか」
「綺麗好きと言え」
「…………それがどうかしたんですか?」
質問の意図が分からないというエレンに軽く溜め息を吐く、それもわざとらしく。
かなり呆れたと言っている表情にエレンは拗ねたように顔を背けたが、リヴァイが直ぐ様自分の方を向かせた。
「クソガキが……」
「なんっ……んっ…ん……ぅ」
いきなり差し込まれた舌は熱く無遠慮にエレンの口内を暴れ、意識と一緒に溶かしていく。
擦り合わされた舌は唾液を絡ませて口の端から徐々に溢れ返り零れる。
口から溢れたどちらとも分からない唾液を舌で掬い取ると、エレンの唇にもう一度柔く吸い付いて離れた。
「綺麗好きの俺が他人の口ん中に舌入れてんだぞ」
「……………は、い」
「好きでもねぇ相手に誰が進んでキスなんぞしたがるか」
「……………………はい」
ぶわわっと赤くなった顔を隠すように伏せるが、それは全く意味を持たずに顎を持ち上げられる。
ゆっくりと近付いてきた唇に自分から重ね合わせた。
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付き合ってるリヴァエレとまだ付き合ってないエルアルの話です。
途中エレン空気なのは気にしたら負けです。キャラ崩壊ごめんなさい。
エルアルの供給が少ないだけで需要は多いのか分かりませんがもっと増えていいと思います(切)
リヴァエレは完全ロム専でしたがエルアル+リヴァエレのあまりの少なさにとうとう供給側に回ってしまった・・・・。
進撃は主にリヴァエレが熱いですがエルアルも熱いです。
おっさん達の犯罪臭まじぱないっす。
あと最近はベルトルトさんとジャンが好きなんだけども・・・ベルジャンって少ない。
ジャン受けって可愛いのに・・・・。
ジャンアルも好きですけどね!!!これぞ雑食!!!!
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