青峰が別の世界の人のように感じる。





「おいっ!黄瀬!!」
「へっブッ!!!」

バスケットボールが顔面にクリティカルヒットし、転々と転がっていく。
青峰のパスはスピードも力も強いため激しい痛みが鼻を襲う。
余所見をしていたせいとはいえ何も顔に向けて投げなくても良いと思う、モデルなのに。

「心此処に在らずって顔してんぞ」
「だからって顔面はないっしょ!酷いッス!!」

そんなん知るか、とボールを拾いシュートを決めた青峰に見惚れる。
恋人であるというのに容赦ないとこも、傍若無人なとこも全て許せてしまうのはさすがにまずいんだろうか。
青峰のバスケをしている姿は何度見ても胸がときめく。
無邪気な笑顔を向けられるだけで許せてしまう。

「ぅブッ!!いったぁぁぁ」
「余所見すんなっつってんだろ」
「口で教えてくれればいいじゃないっスか!!二回も顔面に!!」

赤くなった鼻を擦っていると青峰がひどくニヤついた顔で近付いてきた。
間近で汗を流している青峰が軽く頭を振るうと、水滴が散った。
その仕草と汗にさえ目を奪われて毒気に当てられたように体が動かなくなる。
青峰の手が伸びてくるのに一度目を瞑った。
そして目を開くと互いの唇が合わさるまで後数㎝というところで青峰は口を開いた。

「……口で教えんの?」
「…………っ」

そういう意味じゃないっ!そう溢したはずなのに、青峰の口の中に消えた。
舌を甘く噛まれ、吸われて拒否することも出来ない。

「っは…………」
「息上がんの早ぇよ」
「うっさい」
青峰の手を払い除けてボールを拾った。



青峰と火神はゾーンに入れる。
青峰を一番解っていたはずなのに、本当の強さを知らなかった。
その先があるなんて考えもせずに決め付けて、知って、ショックを受けている自分に吐き気がする。

「俺、絶対火神っちよりも青峰っちよりも、強くなるっスから」
「トートツに何言ってんだ」
「とにかく強くなんの!!」

黄瀬に睨み付けられ、ふーん、とどうでも良さげに返事をすると黄瀬は切なく笑みを浮かべた。
IHのときのような顔に少し驚く。『やめる』と言った顔とはまた違うけれど、似た顔に思い出した。
黄瀬はもう後ろを追いかけて来ない。
負けてしまったから。

黄瀬の中で最強に居座り続けなければコイツは追いかけて来ない。
火神に負けてしまった以上はコイツの目指すべき目標は俺じゃなくて火神になった。

黄瀬が青峰に近付き、動かない青峰の顔を両手で挟みそのまま額をコツン、と合わせた。
黄瀬は火神でも誰でもなく、青峰の予想を反することを言った。


「強くなる。………だから、」




「その時まで、待ってて」


必ず、追い付くから。



「まだ、俺の後追っかけんの」
「俺の中の最強はアンタ以外いない」


例え負けたとしても、一生涯焦がれ続ける。


「俺は待たねぇ。先に進むからな」
「…………それでも、追い付いて抜く」

「そうだな…………じゃ、その俺への執着心は認めてやる」




だから俺も少しだけなら待ってやらなくもない。

―――――――――――――――――――――――――――――
ごめんなさい久しぶりすぎてどう書けばいいか分かんなかったんです!
一応リハビリ文になります。

青黄のネタがふっと思い浮かばなかったのでこんな感じに・・・・・・・
でも楽しかったっす
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