男鹿と同棲を始めてもうそろそろ7年経つ。 現在は25歳と互いにもう大人になった。
俺も男鹿も仕事してるし一応収入も安定してて平和な日々を送ってる。
ベル坊達が魔界に帰ってから本当に平和な日々が続いた。
毎日のように不良をちぎっては投げちぎっては投げをして土下座させる男鹿を見守る、そんな日常が帰ってきた。
あれ、平和なのか?
まぁそんな感じで過ごしてきたわけだが…………
「なんかなぁ………」
「どーした古市」
「いやさ…………今男鹿とこーやってまったり寛げる日はいつまで続くんかなーって」
休日には男鹿の足の間に入って一緒にテレビを見るのが日課だ。
男鹿とくっついていられる時間は昔より減ったけど、その分ヤるだけじゃなくてこんな風に一緒に過ごすだけでも満たされることに気付いた。
幸せを描いたらこんな感じだろうかと男鹿にもたれる。
昔よりお互い変わらないところもあれば変わったこともあるけど、一番変わったといえば…………俺から好きって言えるようになったことか?
「男鹿ぁ、好きだぞ」
「おぉ」
唇を触れ合わせるだけが気持ち良い。
そんな平穏な日々が続くといい――――――……………
ブオオ………オォオ……ォォオォン
俺達の目の前の床が急に黒く淀んだ色になった。
というかこれ見たことある……ぞ?
そう、魔界に帰るときに作る穴のようなソレ…………
まさかとしか言いようがない。
「っ……んだ、これっ……」
「悪魔………っ?」
身構える男鹿の後ろに隠れていると、急に男鹿の腕が紅く光りだした。
腕に浮かぶそれは間違いなくゼブルスペル。
「男鹿っ、古市っ!!」
「あ、坊ちゃま!!お待ちください!!」
もやから出てきたのは緑の髪の男の子と、今は懐かしい金髪美女ヒルデガルダ。
「ひ、ヒルダさん!!お久し振りです!!相変わらず美しっぶ…………!!」
男鹿に口を塞がれた。
「ヒルダてめぇ何のようだ」
「私は別に用はない。坊ちゃまがここに来たいと仰られたから…………」
「坊ちゃま………?」
緑の髪の男の子は目をキラキラさせて、男鹿と古市を見詰めている。
何やら涙目だ。 その容姿から推測出来る人物はただ一人。
「べ、ベル坊か!!!??えっ嘘!!でかっ!!!」
「マジか…………」
古市と男鹿が自分と認識するのを待っていたのか、そう言った瞬間勢いよく駆け寄ってきた。
「男鹿ぁ!!古市ぃ!!」
「わっ!ちょっ………ベル坊!んな抱き付くなって!」
男鹿には避けられたため古市に正面から抱きついたベル坊にヒルダは古市を睨む。
そして男鹿はベル坊を睨む。
そんなヒルダと男鹿の視線に気付いた古市はベル坊を引き剥がそうとするが離れてくれない。
しまいにはスリスリと頬を擦り寄せてくる始末。 視界の端にヒルダの刃が光る。
「べべ、べベル坊おおお!!!俺みたいな奴に魔王の後継者がこれはダメなんじゃないかな!!??」
「何言ってんだ?古市は俺の親だから気にする必要はない」
「親は男鹿だろ?とにかくいったん離れてくれ…………」
ベル坊は拗ねたように頬を膨らませ渋々離れてくれた。
「男鹿も親だけど古市だって俺の親だ」
「…………ベル坊……あ、ヤバイなんか今ジーンってきた」
ちょっとだけときめい……
「まさかときめいたとか言わねぇよな?古市くーん」
「ときめき違う感動した」
あっぶねえええええええええ!!!!!!!
「坊ちゃま、このような下僕にもそのようなお言葉を………なんて心の広い……このヒルダ感動致しました」
「………ヒルダ」
「はい」
「お前は魔界に帰れ。俺はしばらくこっちにいる」
「「「は?」」」
三人とも綺麗に声が重なった。
ヒルダの予定では男鹿と古市を一目見るだけで良いと言うから連れてきたのであって滞在なんて聞いていない。
男鹿も古市もいきなり現れたベル坊の対処に困っていたというのにさらに泊まる?と顔の筋肉が強ばる。
「ダメか?」
上目遣いでヒルダを見るベル坊の目は潤んでて、どうにも反対を言わせない。
これはもう承諾するしかないのだ。
「………承知しました。ですが滞在期間は長くて一ヶ月になりますがよろしいでしょうか」
「ああっ!ありがとなっヒルダ」
「「マジで?」」
唖然とする二人を置いて、ヒルダは魔界に帰ってしまった。
「男鹿っ」
「離れろ暑苦しい」
「そう言うなよ。ベル坊だって男鹿に久し振りに会えて嬉しかったんだよなー」
にへへと笑うベル坊は可愛い。 あれから10年振りの再会だ。
「だいたいいきなり押し掛けてくる奴があるか。ジョーシキを考えろボケ」
「お前が言うな」
バシッと古市に叩かれる男鹿を見ながらやっぱりこの二人は変わらない、と嬉しくなる。
二人が恋しくて仕方なかったこの10年、やっと会えた。
「古市も男鹿も変わんねーなぁ」
「ベル坊は10年でめちゃくちゃ変わったよな…………デカイし」
おそらく170㎝くらいだろうか?
あれ?でも………
「ベル坊今何歳?」
「10歳!もうすぐで11になる」
「え?で、でかくない?」
明らかに10歳にしてはでかすぎる。
こっちの人間の高一くらいの身長だ。
「ヒルダがこっちと俺達じゃ成長のスピードが違うんだって言ってた。でも成長仕切ったらそこで止まるって」
「へー………」
感心したようにベル坊を見詰めるとまた抱きつかれた。
男鹿の眉間の皺がそれに比例して増えるのが嫌でも分かってしまう。
しかもベル坊は体重を預けてくるもんだから、相変わらず力のない古市は支えきれずに後ろに倒れる。
その姿はベル坊が古市を押し倒しているようにしか見えない。
「っ……つつ………ベル坊どけろ」
「………………」
ベル坊に見下ろされるとか変な感じ……………。
暢気なことを考えているとベル坊が笑った。
まるで男鹿のような笑い方にドキッとする。
「古市……………」
「へっ、待っ…………あ」
ベル坊の顔が近付いてきて反射的に目を瞑る。
もちろん男鹿がそれを許可するわけがないのだが。
「オイコラ」
「あっ何すんだ男鹿!!離せよ!古市とちゅーする!!」
「駄目だ。古市は誰にもやらん」
「ちゅうって…………」
「俺も古市欲しい!!」
「古市は俺のだ」
ぎゃいぎゃいと言い合いをする二人の下で古市は顔に熱が集まるのを静かに感じる。
まさか…………ベル坊………………
やっぱ親子だからか?
でもさすがに俺をそーいう意味で好きなわけじゃねーよな?
……………………違うよな?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
三人の同棲生活スタート!!みたいな?
友人に男鹿古で同棲生活書けと言われたが書いてみたら何故か男鹿古ベルの三角関係に。
ほのぼの三角関係好きっすwwwそしてベル古楽しいwww
だがしかし続かない。
スポンサードリンク