*R-18
どうしてこんな事をしているのかとか、理由はもう覚えていない。
ただの暇潰しだったのかもしれないし、何かに苛立ちをぶつけて憤りを発散してしまいたかったのかもしれない。
自分の下で苦しそうに呻く男を無表情に見下ろす。
シーツを握り締める手は汗ばみ、涙が浮かぶ目尻は赤くなっている。
それが苦痛のせいなのか快感のせいなのかは金木の関心に及ばない。
「……ッ………カネ、キくん………はッ」
「何ですか」
月山の体内に指を埋め込みながら応える。
グチグチと卑猥な音を立てながら中を掻き回すと月山の腰が僅かに揺れた。
前立腺はギリギリ避けて、悪魔で挿入するための準備だけを念入りにする。
それが焦らしプレイというものになるかは分からないが、月山は間違いなく興奮していた。
「………カネキくん………も、大丈夫、だ……ッ」
「まだだ。貴方は痛いの好きかもしれませんが、僕は好きではないので」
確かに狭い方が気持ちは良いがキツすぎると痛いのは挿れる側だ。
指3本を巧みに動かしながら肉壁を押し広げていく。
偶に漏れる月山のくぐもった声に舌打ちをすると指を引き抜く。
引き抜く瞬間も吸い付いてくる粘膜の感触は挿入に丁度良く柔らかくなっていた。
「月山さん」
「なんだい………んッ………カネキ、くん」
「声、気持ち悪いんで出さないで下さいね。出したら殺しますから」
「……わかった…………っ」
辛辣な言葉にも従順に頷いてみせる月山に金木は顔を僅かに顰めた。
反抗しないのは元より分かっているが何の抵抗もされないとなると面白くない。
月山は声を出さないようにあらかじめ口元を押さえ、快楽に備えて目を強く閉じている。
「目、開けて下さい」
「………?」
「ちゃんと僕を見ろ」
今から誰に犯されるのか、目に焼き付けておけと。 金木の冷たい目を月山は必死に言われた通り見つめた。
その鋭い眼光は鈍く光りまるで捕食者のようだ。 いや、捕食者であながち間違っていないかもしれないが。
月山は今から金木に喰われるのだとこの瞬間、いつも思う。
熱い肉と肉が密接するこの瞬間だけはいつまでも慣れないが故に興奮を煽られる。
「……ン、………ッ…ぐッ………!」
「痛くは無さそうですね」
腰を奥まで推し進めると肉壁が受け入れるように拡がっていく。
性器に絡み付いてくる熱に腰が重たくなる。
月山の性器は一度も触っていないのに既に先端から蜜を零し、腹を濡らしている。
荒い息が不規則に吐き出され、快感に震えた体を月山は惜しげもなく晒すが声だけは手の中に収めた。
「……は…ッ………ン……んっ」
「声、出すなよ」
もう一度念押しで低く命令すれば同じように頷いた。
月山の瞳は濡れ、早くしてくれ給えとでも言うように金木を一心に見つめる。
金木はこの人やっぱり黙ってると本当に美形だよなと頭の片隅で思った。
腰を揺するとそれに合わせて後孔が収縮し、締め付けてくる。
前立腺に角度をつけて腰を打ち付け、激しくピストンさせれば月山のくぐもった声が漏れ出る。
「……んッ………ン、ぐ………ッッ」
喘ぎ声を上げそうになる度手で抑えつけるが、それでも足りないのか腕を噛み始めた。
腕に突き立てた歯は肉を抉り血が滲んでいる。
しかし瞳は興奮で赫眼になりながらも金木だけを見続けていた。
燃えるようなその色に触発されたのかカネキも己の赫眼を出していた。
食べてしまいたい、そう思える程の月山の色香は凄まじいものだ。
「…んんっ………は、グ………」
「血、出てます」
「……ッ……カネキ、くん?」
言われて口を離すと腕を取られた。
かなり深く抉っていたのか多量の血が腕から滴っているが、どうせ直ぐに塞がる。
今更そんなものを気にするなんてと月山が怪訝な顔をしていると金木は思い切りそこに吸い付いた。
月山は目を見開いてその様を眺めた。
「………不味くはありませんね」
「それは良かったよ、まぁ僕は普段から食には気を遣っているし当然と言えば当然なのだけれどしかしそれをカネキくんにも分かって貰えるとは思っていなかった。というよりカネキくんが僕を食すというその行為がっンぐ!」
「黙れ」
口を無理やり封じ、月山を絶対零度の眼光で睨みつけた。
この男に話す権利を与えると十中八九不愉快にさせられる。
顔だけは良いのにこれは何とかならないものなのか。
まだ身体を繋げている最中だというのにこのムードの読まなさはいっそ尊敬する。
腰を動かすと分かりやすくびくりと身体が反応した。
「……ァ………ッ」
「声出すなって言いましたよね」
咎める声に月山はidiot me…と小さく呟いた。
カネキくんの命に背いてしまうとは騎士失格だな、と思いはするがこれから与えられるであろう罰に心拍数が上昇する。 金木の冷めた目で射抜かれるとどうしようもなく体が震える。 蔑まされ己を虐げる言葉に興奮する。
「中、締まりましたけど………本当に変態ですね」
「………カネキくんからされることは全て、僕にとって甘い果実でしかないからね」
「……………気持ち悪い……」
その言葉にすら興奮するのか、月山の性器は未だ先走りを零し続け溶けそうに奮い立っている。
手を伸ばし触れてみると予想以上に熱く、硬い。
握り込んで上下に擦ると月山の口から甘い吐息が吐き出される。
「…ふ……っ…ん………」
こうやって声を懸命に耐える姿は本当に己の欲を掻き立てられてしまう。
あまり認めたくはないが。 月山の溶けた赤い瞳がそれを余計煽る。
滴る汗が髪を濡らして、眉を悩ましげに寄せているその表情は扇情的で自分の中にある雄が理性を無くしそうになる。
勿論本人には口が裂けても言わない。
「…ッ………ぅ……ンっ」
「月山さん、舌出して」
親指で先端を抉りながら言うと、月山は引き攣った声を上げそうになりながらも言われた通り舌を差し出した。
はしたなく舌を出したまま息を荒くした月山に舌打ちをする。
分泌された唾液が今にも口の端から溢れそうになるが、金木は人差し指と中指でそれを掬い口内に押し込める。
「ン、ぐ………ッ…」
「飲んで下さい」
言われるまま唾液を嚥下した月山を無言で見つめながら指で中をなぞる。
上顎を擦れば堪らなく目を閉じたが金木の命令を思い出したのか直ぐに苦しそうに目を開けた。
散々口内を掻き回した後、舌を摘みグッと引っ張る。
舌を抜かれると思ったのか月山の体が一瞬強張ったが、それも杞憂に終わった。
舌を摘んだまま親指の爪を突き立てれば、じわりと血が滲む。
金木はその赤く濡れた舌に噛み付くように口付けた。
「……ふ………ンっ…ん」
「……ッ……は…」
血を啜るように吸い付けば月山はうっとりと金木に腕を回した。
その途端金木は口を離し、月山の腕を片手で素早く拘束すると月山の頭上に押さえつけた。
掴んだ手首からミシ、と骨が軋む音がしたがそんなもの知ったことではない。
「誰が触っていいと言いましたか?」
「ついうっかりだよ、カネキくん」
「次やったら殺しますから」
「相変わらず………」
ハードだねカネキくん!!と言う前に口を塞がれてしまった。
塞がりかけた傷口を抉るように舌を突き立ててくる金木に月山は甘く喘ぐ。
声は金木の口内に飲み込まれていくため聞こえはしない。
金木の唾液にすら興奮を覚える月山の口内を散々蹂躙した後、一度口を離し、再度重ねた。
そして月山の体は大袈裟な程に跳ねる。
「…!?……カ、ッん………ンぁ……!」
二度目の口付けからは間違いなく金木の血の味がする。
口を離した隙に舌を噛んだのか、舌を絡ませる度血の味がより濃厚になっていく。
突然のご褒美に月山の思考は着いていかず、ただひたすら金木を貪った。
金木が自主的に己の血肉を月山に与えるなど普段では有り得ないことであり、月山はそれを金木に問おうとした。
しかしその前に金木は釘を刺す。
「………余計なこと言ったら止めます」
それはいけないと、月山は出かけた声を喉の奥に押し込み金木と唇を深く重ねた。
人と喰種が混ざった血に理性が飛びそうになる。
芳香な香りが口内に広がり鼻腔を突き抜けて脳髄が痺れるようなその味は何にも例え難い。
その先を求め、金木の舌に噛み付きたくなるがそれをした瞬間命はないだろう。
しかし己の血と金木の血が交わっているという事実に血液が沸騰しそうだ。
calmart 僕。頭の中で唱えるが一向に興奮は止まない。
「……カネキく……っ…ん、ぅ…」
「美味しい、ですか」
「勿論Toresbianだよ……ァ、あっ………」
急に腰を突き動かされ思わず出た声に金木は口角を上げた。
饒舌で鬱陶しいこの口が自分のせいで言葉を止め、悲鳴に似た嬌声を上げる。
それが堪らない。 これはきっと優越感だ。
富も権力も好きなように使える地位を持ち喰種としても強いこの男が。
食への執着が尋常でなく、信用に値しない食えないこの男が食の対象である自分にいいようにされているという事実。
「可哀想な人ですね」
「……ア………あ、ぁ………腕、を」
「声出して良いですよ、今日だけ」
月山がその言葉に数回瞬きをすると金木は腕の拘束を解き、月山の両脚を拡げるように掴んだ。
解かれた腕は始めと同じようにシーツに縋るように掴む。
「声は我慢しないで下さい」
「ふ、ァ……飛び切り、甘い声で鳴いてみせる、よ………ァ、く」
「そういうのはいいので」
下腹部に溜まった熱を発散させるために腰を打ち付けた。
腰を引く度吸い付いて離そうとしない内部を勢い良く擦り上げる。
前立腺を抉るように突くと月山の身体が面白いようにしなり掠れた声を漏らした。
快楽から生理的な涙を滲ませる目尻に噛みつき、眼球に舌を這わせる。
普段味わうことのない刺激に感じたのか、結合部が吸い付いてくる。
「…ひ、グ……ァ…ッ……あ、あっ」
「後ろだけでイケますよね」
「……はぁ、あっ………ん、ァ……」
ローションが中で混ぜられジュグ、と嫌な音が耳に響くがグラインドを大きくすればする程月山の声と音が交わっていく。
焦らされた性器は既に達する寸前なのか尿道口はぱくぱくと開閉し先走りを零し続けている。
物欲しげにひくついているが金木が触ることはない。
金木は熱く溶けた内壁に持って行かれそうになりながらも動きを緩める様子はない。
「…アッぁ……は、ンぁ……あ!……」
「…はっ、………く…」
「カネキく……ッん!ぁ、も、う……あッ」
金木の許可が下りるまでは耐えようと力を入れたせいかシーツは破れ、爪を立て過ぎたのか血が滲んでいる。
しかし本人は気付いてもいないのか、必死にカネキの名を呼ぶ。
プライドの高いこの男が欲を吐き出したいと遠回しに懇願する姿に金木は乱暴に中を掻き回した。
「良いですよ……ッイっても………!」
「う、……んッア、あ……あっ、ぁ………あッ!」
金木の声を耳にダイレクトに感じた月山が言われるまま吐精すると、白濁は金木の腹を汚す。
達したばかりで敏感な内部を擦り上げると月山はうわ言のように声を漏らすが金木は止めず、そのまま奥に吐き出した。
全て出し切るまで腰を小刻みに動かし、引き抜く。
異物が突然なくなりヒク、と震えた後孔からは白濁が流れた。
「……は……ッは…………ッ…」
「………………」
金木は汗を額に浮かべ息を荒くする月山を見下ろしながら、眼前に顔を近づける。
自分を前にすればプライド等ないと、言い張れるであろうこの男を傷付けてやりたい。
彼はきっと最後まで咀嚼してしまったら己に興味を無くすだろう。
だからこそ決して忘れないように致命傷とも言える大きな傷を付けてやりたい。
心を抉ってやりたい。
そんなこと、無意味だと分かっていても。
「グ、あ………ッ!」
無防備に晒された肩口に思い切り噛み付けば肉を喰い破る鈍い音がした。
シーツが鮮血で汚れるが今更そんなもの気にならない。
血に濡れる月山は誰よりも何よりも美味しそうに見える。
いっそのこと全て喰らってしまえたらどんなに良いだろうか。
「やっぱり…………不味くはないですね」
月山は金木のその一言の感想に酷く満足げに笑う。
喰種の中でも唯一美味しいと思える不思議な人。 彼を誰にも喰わせたくはない。
僕だけが咀嚼し自分の血肉に変えることが出来る、その事実に酔っている。
この感情が何か僕はまだ知らない。
この行為の意味を僕はまだ知らない。
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カネ月らしいものを目指しましたが難しい。
もっとハードなのが書きたかったけどぬるくなってしまった
カネキ君ってしてることは鬼畜ぽいけど無意識に優しいんですよね。
たまらん。もっとカネ月増えて。
月カネも好きだけどカネ月も同じくらい需要あると思うんだ
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