※前回の最終回話の未来設定
※でも読んでなくても大丈夫です
※おがふるは28歳
※R-18
男鹿と初めてキスしたのは高三の卒業式。
押し付けるだけのキスだったがそれだけで幸せだと思えた。
でも人というのは欲深いもので、一つ手に入ればその次……と止まることを知らない。
俺達は初めて行う愛情表現に夢中になった訳ではないが、今までの生活にそれはすんなりと入り込み、気付かない内に回数が増えていった。
顔を合わせれば、まるでそれが当前のように唇を触れ合わせた。
そんな俺達が初めてセックスしたのは20歳の時。付き合って二年目の冬、クリスマスだった。
調べた知識をフル活用して体を重ねたが、お互いが初めて同士の行為はぐだぐだに終ってしまった。
ただ、男鹿だけは嬉しそうに古市を抱き締めていたが。
下手でも満足さえすればそれは成功なんだ、と言うような目が忘れられない。
「……っ……、…ぁ」
「…………っ……大丈夫か?」
心配そう覗きこむ三白眼に古市は笑った。
挿入する瞬間はいつまでも慣れないが、男鹿のこの切羽詰まった顔は好きだ。
色気があって、雄っぽい匂いに興奮する。
「古市?」
「……なんか……男鹿、上手くなったよな」
「は?」
「なんつーか、テクニシャンになった………んっ…は」
散々触られて感じやすくなっている肌に男鹿の唇が吸い付いた。
そういえば今日はまだ付けられてなかったと思い出したように自分の体を見る。
男鹿はつけた痕をなぞるように舌を這わせると、古市の口に噛みついた。
気持ち良さに吐息を漏らす表情は艶があって頭がくらくらする。
「お前は、煽んのが上手くなった」「ははっ!」
「つか、同じこと何回もやってんのに上手くなんねー方がおかしいだろ」
緩く腰を揺り動かされ、もどかしくも甘い刺激に古市はへらっと笑い、男鹿の首に腕を回した。
繋がった部分の熱さに一つに溶け合いそうだと毎度のように思うが、それでもやはり行為を終えた後は溶け合うことなく二人の個体としてベッドに横たわっている。
それをもどかしいと思ったこともあった。
けれど今は溶け合わないでこうして二人で居られて良かったと思う。
「もう、付き合って10年になんだな」
「10………ああ、そういや俺等28か」
「……長かったような短かったような………なんか、うん、幸せだな」
男鹿と過ごす毎日が楽しくて嬉しくて、こんなに幸せな人生は他にあるだろうか。
幸せだ、ともう一度言う無邪気な顔の、色気なんて微塵もないその表情に男鹿の心臓は大きく脈を打った。
こんなことを言われて我慢しろと言う方が無理な話だ。
何年も体を重ね、最中に話す余裕が出てきたとはいえ、煽られて平然としていられる程大人じゃない。
「も、動くぞ」
「……は………あ、ぁ……」
甘い溜め息のような声が響く。
結合部が卑猥な音をたてる度聞こえてくる男鹿の荒い息遣いが愛しくて、必死にしがみついた。
それに同調したように中で蠢く熱に絡み付く肉壁は感じる所を余すことなく擦られ、ヒク、と収縮する。
男鹿の腹筋に当たり、存在を主張する自身に手を伸ばす。
片手だけで男鹿に掴まるのは大変だったが、夢中で熱の塊をしごいた。
「ぁっ………く、……ぁ…」
「中、熱ぃ……っは、古市……っ」
「おま、え……っも、あつい………んっは、ぁ、ァ」
気持ち良い。
古市の刺激して欲しい所を攻める瞬間と焦らすタイミングを分かっているような男鹿の攻め方は、やはり年月がモノを言っているのだろう。
繋がっている、そう実感する程果てが近付いてくる。
ずっとこうであれたら良いのにと男鹿を引き寄せ、噛みつくようなキスをした。
「んっ………んん、ン……っは」
「………はっ、ハ……あー………やべぇな」
お返しと言わんばかりに口を塞ぎ返され、簡単に舌を絡めとられた。上顎を舐められ、背筋に悪寒にもにた快感が走る。
舌同士がなぶり合い、唾液が口内で混ぜられどちらのものとも分からない液体が口から零れる。
男鹿はキスも上手くなったんだなぁ、と呑気に考えている間に律動は再開された。
「はっ……っぁ、…は!んっん……ぁっ」
「………は…っ古市……」
「く、ぅあ………んっ……!」
「……はっ……ッ」
断続的な快感に生理的な涙を浮かべる目尻を拭ってやり、頭を撫でてやる。
己の下で小さく喘ぐ古市の声が好きだ。
耐えるように息が詰まる音も、気持ち良さに零れ出る吐息も、たまに上がる一際高い喚声も好きだ。
綺麗な銀髪、色素の薄い目、柔い白い肌。そして俺だけに向けるくしゃくしゃに笑った顔。
古市の全部が、好きだ。
「ぁっ、も、……ヤバ、い」
「俺もっ……はっ、は!中、いいっか?」
「いいからっ……ぁ、あっ!早くっ………」
激しさと快感で意識が飛びそうなるが、その中で何故か冷静な自分が居た。
付き合って10年、初めてセックスをしてから8年。
そりゃ、上手くもなるはずだと男鹿に抱き締められながら果てた。
「おいてめぇ古市!」
「ぶはっ!!」
情事後で散々散らかったベッドに転びながら古市は男鹿の顔を指差して笑った。
勿論男鹿は怒り心頭だが。怒る理由は簡単だ。
果てた瞬間古市は自分のブツを持っていたため、偶々ではあるが男鹿の顔に向けていたため直射したからだ。
「やっべぇww男鹿の顔射とかwwくっそww」
「ブッ殺す」
「わー!待て待て!!お前だって前したことあんだろうが!」
「俺がすんのはいい」
「おいコラ、ぶん殴るぞ」
「おう、やってみやがれ。返り討ちにしてやる」
「くっそー!!ズリィぞ男鹿!!」
いつまで経っても変わらない、色気のない会話。
こんな甘くない騒がしいピロートークがずっと続けば良いんじゃないかとそう頭の片隅で思った。
初めてキスしてから10年。
初めてセックスしてから8年。
そして、
俺達が初めて出逢ってから17年目の春が過ぎた。
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くっついてヤることやって大人になってもアホなおがふる。
おがふるエロは久し振りに書いたのでちゃんと書けてるかよく分かりませんが、楽しかった……
やっぱりおがふるは私のバイブルです
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