バレンタインってナニソレ美味しいの?
あははは。ほんとバレンタインとかなくなればいいのに。
だいたい日本はなんでもかんでも外国文化を取り入れすぎなんだよ。
バレンタインとかいらねぇよマジふざけんな。
「……………なんて、去年なら思わなかっただろうに」
むしろバレンタイン万歳浮かれまくり祭り開催中だよ。
当然今年もそうなるはずだった。なのに。
なのに………!!
何が悲しいかな俺は男鹿の野郎にチョコ作ってるこの現状はなんだ!!!!
本来なら烈怒帝瑠の皆さんからのチョコを楽しみに胸をウキウキさせているところを、あの男は昨日帰り道言ったのだ。
『そーいや、そろそろバレンタインだろ?』
『おぅっ!お前もとうとうそういう行事に目が行くようになったか!!いやー今年は烈怒帝瑠の女子からのは期待してもいいよな!』
まさか男鹿からそんな単語が出てくると思っていなかったため、ついに女の子に興味を持ち始めたのかとテンションが上がったのに。
『いや、そりゃどーでもいいけど。お前俺にちゃんと作ってこいよ』
『は?』
『だから、俺にバレンタインチョコ寄越せ』
意味が分からない。
どうして男が男にチョコをやらねばならんのだ。
『古市、』
『おゎっ』
体が傾いたと思ったらサイドから腕を回されて肩を引き寄せられ、頬にキスされた。
唇が触れた部分を手で押さえ、今の出来事を理解すると同時に男鹿を睨み付ける。
『ここ公道だぞっ』
『誰も見てねーよ』
『そーいう問題じゃないっ、お前は『言い忘れてたけど』
小うるさい古市の言葉を遮った。そして古市の鼻先を指さし高慢に言い放ったのだ。
『俺はお前の手作り以外受け取らん』
『…………………は?』
気がついたときにはもう男鹿はじゃーな、と自分の家に入ってしまっていた。
「まじ最悪」
いや、断れなかった自分も悪いというのはよく分かっているつもりだ。
メールでも電話ででも断れば良かったのに何故かそれが出来ない。
惚れた弱味…………と言ってしまうのは癪だが事実だから仕方ない。
多分男鹿はダメ元でバレンタイン話を切り出したんだと思う。
今思えば心なしか珍しく緊張していたような気がするから。
「……俺相手に緊張ってアホか」
だけどそういう初な所が愛しい俺も俺なんだよなぁ…………
いつも傲慢で俺様ヤローがバレンタインチョコ頼むだけでドキドキ緊張しまくってんだろ?
たまんねー…………とか思う俺は絶対おかしい。
「喜んでくれっかな」
板チョコをボールの中でかき混ぜながら男鹿の喜ぶ姿を想像する。
トロトロに溶けたチョコレートが甘ったるい匂いを台所に充満させているせいか、気分も甘くなってくる。
いけない、こんな余計なことを考えずに早く作ろう。
「……………えーっと次は…」
母に借りた本を食い入るように見つめ、手際よく作業を進めていった。
ピンポーン
チャイムがなった。
まぁ誰か出てくれるだろ、と放置していると二度目のチャイムがなる。
「あ、そっか………今日誰もいねーんだ」
はいはーいっ、と玄関に急いで足を運びドアを開けたら男鹿がいた。
「よっ」
「どーしたんだ急に。まぁいっつも急だけど」
「暇だったから遊びに来た………つかなんだ古市そのカッコ」
シンプルなブルーのエプロンを着ていた古市をマジマジと見つめ、すんすんと匂いを嗅ぐと甘い。
匂いはエプロンからだけではなく家の中も甘い香りでいっぱいになっている。
「今ちょうど作ってたんだよ。取り合えず上がれば?」
「作ってたって何、を…………あ」
台所に近付くにつれて匂いが強く鼻をくすぐった。
これは…………
「チョコ?」
「そー。男鹿君がどーしてもバレンタインチョコ欲しいっていうから」
そう言った途端目を爛々と輝かせる男鹿に、まだ完成してないけどな、と付け加える。
それでも男鹿は余程嬉しいのか騒ぐでもなく、ただ口を結んで作りかけのチョコに視線を注ぐ。
こういう状態は本当に嬉しがっている証拠。
「試作品第一号食う?少し前に冷蔵庫入れたやつ。まだ完全に固まってはないけど」
「………くう」
古市は冷蔵庫の引き出しから皿を一枚出してそこから一つ男鹿に手渡した。
チョコを渡された本人は穴が空くほどそれを見つめる。
「トリュフってーの。早く食え」
「…………………」
モグモグと大人しく食べている男鹿が大型犬のペットみたいで可愛い。
「ぅ…………」
「?」
「……ぅまい………です」
「そりゃなんてったって俺の愛情が籠ってるかんな」
旨いに決まってるだろ、と笑う古市に男鹿は思いきり抱きついた。
ぎゅうっと力強く体を密着させてくる男鹿を優しく撫でる。
ここまで喜んでもらえるとは思っていなかったから驚きだけど、やっぱ嬉しい。
当日より盛り上がるとかどんなだ。
「古市、もう一個喰っていい?」
「あぁ………って待っ」
返事をするや否やチョコを口に含んだままキスされた。
「っ………む、……ぅぁ」
中が甘い。舌が絡み合う狭間でトリュフがとろとろに溶けていって唇から伝う。
こんなに甘く感じるのはチョコだけのせいじゃなくて、それに乗っかるように男鹿が甘く愛してくるから。
食むように吸われる度身体が震えて男鹿にしがみつく。
舌が溶けてしまいそうだ。
「は、ぁ………ふ」
「…………チョコありがとな」
「アホ、明日がバレンタインだっつの。気ぃ早ぇよ」
「嬉しんだからしょうがねーだろ」
「……………お前もうほんとイヤ」
照れを隠すために変な顔になっているのも可愛くてこっちまで顔の筋肉が緩んでくる。
ダメだ。ドキドキする。
今までこんな甘い雰囲気なんて腐るほど体験してきたのに、バレンタインっていうだけでいつもより心臓が煩い。
「じゃ、じゃあ俺続きするからお前はテレビでも見てろよ」
ボールにまだ余っているチョコを混ぜながらスプーンで掬う。
男鹿の腕から抜けれたのはいいものの痛いほどに視線が突き刺さっているのが分かる。
きっと今俺は耳まで赤い自信がある。
「古市」
後ろから腕を回された。
「……………っ」
心臓が痛い。触れた所が熱くて、甘い。
ジリジリと溶けて混じり合う………ベッドの上で交じる時のあの熱い、絶対値を越えたときの熱を思い出す。
堪らなくなって男鹿を見上げると男鹿はその目線を捉え、迷わず唇を重ねた。
古市の熱の籠った瞳にくらっと酔ったように引き寄せられる。
「っは…、……明日、」
「ん?」
「明日も俺からチョコ欲しいなら他の女の子からチョコ貰うな」
貰うならやらない、そう言われて可愛いと思わない男なんか存在するだろうか。
否、居たとしても少なくとも男鹿は古市が可愛くて仕方ない。
生意気なとこも含めてこういう部分も大好きだ。
「バカ、言ったろ。俺はお前の手作り以外食わねぇ」
「もし食ったら他の奴にも俺の手作り配るからな」
「それはヤメロ。つか食わねぇし」
「烈怒帝瑠とか邦枝先輩もダメだぞ。ちなみに俺は貰うけどな」
「いやそれ意味分かんねぇよ。なんでテメェは貰ってんだ。今年も0個だろが」
今年もって何だよ………!
確かに去年0個だったけども!! (親からのは除く)
古市は息をついてチョコを一つ口の中に放り込み、男鹿の後頭部を引き寄せ唇を合わせた。
「…………古市?」
チョコを男鹿に移し終えると視線を斜め下に反らした。
「バレンタインは0個でいい。けど………」
「ホワイトデーは3倍だから、な…………?」
すっげ真っ赤。
古市うわぁマジなんかもうクッソこいつ………あああああもう分かってやってんのか!!
「お前………俺をどんだけ悶えさせんだボケ」
「はぁ?」
「つーか、」
「愛は別に3倍返しじゃなくってもいんだろ?」
「へ………」
100倍返しでもいいか?
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私の中の男鹿古は当日よりも前日にイチャイチャしてますねwぐへへ
なので前日にUPですw当日UPはきっとしませんがね。
にしても男鹿古バレンタインいいわあw
結構甘めに書きましたがどうでしょうかww
楽しんで頂けたら幸い^^
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