黄瀬は、恥ずかしい。

どんなに背中が痒くなるような言葉でも簡単に言ってくる。
アイツにとって『好き』って言うことは挨拶みたいなもんだ。

人気モデルが『好き』の大安売り。
コイツのこの一言を欲しがる奴なんて腐るほどいる。
ファンも、その一言が男に向けられているとは知らない。

「お前、バカだよな」
「えっ何スか!いきなり!」

「『好き』とか言うな」
ビシッと効果音付きで指差す。

「いやっス」
黄瀬も効果音付きで言い切る。

「うぜぇ」
「ウザくない」

俺がうぜぇっつってんだからうぜぇんだよ。
何だお前。

「つか、今更じゃないっスか?」
「今更だから言ってんだ」
「えー」
「分かったな」

「………」
分かるか。
青峰っちのバーカ。

ジトッとした目で青峰を睨む。

「……なんだよ」
何か文句あんのか。

黄瀬は一歩青峰に近付くと、ニカッと笑った。

「照れてんのっ?」

「よし、グーでいっていいか」
笑顔で握りこぶしを突き付ける。
黄瀬は変わらずニコニコと笑顔で何かめちゃくちゃ腹立たしい。

「大体、俺が青峰っちにそーゆーこと言うのは青峰っちのせいっスよ?」
「は?」

「だって、俺達が付き合い始めてから一回も『好き』って言ってくんないし」

それ関係あんのか。
眉間に皺が寄るのが分かる。

「だったらその分俺が言ってバランス取ろっかなーって!」
「………うぜぇ」
「ウザくない」
「うぜぇよ」
「ウザくない」

頑なに反論してくる黄瀬。
青峰の苛々は募っていくばかりだ。
青峰に負けず劣らず意志が強い。

「………俺がお前に言ったら言わねぇの」
「何が?」

意味が分かってない黄瀬の耳元に口を近付ける。

「え……」


『好き』


「……………」
言葉が出ない。
今、何を言われた?

ポカンと間抜けた顔をしていたのだろう。
今度は分かるように正面から言われた。


「好きだ」


「……あ………/////」

ヤバイ。
これは………

じわじわと顔が熱くなっていく。嫌でも顔が赤いのが分かる。


「顔真っ赤」
「う、うるさっ……////」

言わなくても分かってるっスよ!
つーか……もうホント………!!うわぁ…………!!

「いっつも人に言ってくる割には可愛い反応だな」
「…………ぅるさい///」
膝を抱えて顔を埋める。
青峰の顔がまともに見れない。

「言うばっかで言われんのは弱ぇのか」
「……………////」

うああぁぁあ………!!!!
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