*激しい厨ニ病設定を緩い目で見守れる方のみどうぞ








世界にはいつでも裏表が存在するものだ。
世界が平和だと言われているのであれば、それは政治の裏で別の何かが動いているからである。
綺麗事だけではこの世界に平和の二文字が生まれることはない。
そして現に今、政治界の裏には強大な組織が存在し、ある意味では世界平和を実現する中心部かもしれない。
マフィアと言う名の巨大な財閥、そこには約100万人の裏社会の人間がいる。

そしてその1000万人を束ねる財閥の頂点に君臨する男、『赤司清十郎』。
元々、政治界の裏で巨大な財閥が関わり合いを持つことはなかったが、この赤司という男が世界の政治事情に変革を起こした。
世界平和を実現出来たのはこの男が居たからと言っても過言ではないだろう。

いや、確かに赤司の力によるものではあるが、組織を創った当初からの仲間がいる。
世界には……裏社会に入ってくるような人間には稀に普通の人間とは違う、特別な力を持っている者がいる。
赤司もその中の一人。しかもその稀な力の中でも特に優れた才能を持つ者。
彼の仲間、他6人もその才能を持ち合わせている。






「大輝、最近北方の組織が怪しい動きをしている。其処に部下を連れて偵察に行ってくれ。
もし僕に逆らうような事を企てているのなら………殺して構わない。お前の判断に任せる」

「はあ!?俺昨日帰ってきたばっか……………!!」
「皆手が離せないんだ。行ってこい」
「テツは何もしてねぇだろ!休暇寄越せ!」
「テツヤはアジトの警備で忙しい。休暇なら全て終わった後にやる」

「…………………ッチ!絶対休暇寄越せよ!!」
「ああ、約束しよう」


渋々赤司の命令を飲み込み、ボスの部屋から出てくる青峰に黄瀬が近付いた。


「また行くんスか?」
「………行きたくねぇけどな」

落胆する黄瀬を宥めるように頭を撫でてやる。
黒いスーツを着た190㎝弱の男が可愛く見えるのはその美貌のせいなのか。
本当はアジトに帰ったら黄瀬と一緒に鍛練をする約束をしていた。
銃の様々な使い用や剣の手解き、実戦のための頭の使い方と考え方。
黄瀬も部隊を連れてよく遠征に行くため、弱いわけじゃないがそれでも青峰には及ばない。

「赤司の野郎………アイツ俺のこと絶対嫌いだろ」
「そーいうわけじゃないと思うッスけど………頼られてるってことでしょ」
「………だといーけどな」
「青峰っち…………?」


信頼はされていると思う。
けど、それだけじゃない…………短期間でこんなに頻繁に送り出されるなんて異常だ。
赤司のことだ、他の思惑があるに決まってる。
それが何なのか………あまり想像はしたくないが、十中八九俺をアジトから遠ざけることが目的だろう。

理由は…………


「赤司っちってなんだかんだ言っても青峰っちのこと好きだし、青峰っちに比べたら俺、どっちかというとあんま好かれてない気がするッス。
だからあんま高度な任務任されないし…………、っ!」


黄瀬のネクタイを強く引っ張り、引き寄せる。


「お前、本気でそれ言ってんの?」
「……え、なに………青峰っち?」

「アイツが俺をアジトから遠ざけようとすんのは………お前がいるからだろ」

「どういう、意味……………」
「いや…………いい。もう休む」


黄瀬のネクタイから手を離し、自室に向かった。



廊下に残された黄瀬はよく分からないまま、取敢えず青峰の気に触るような発言をしてしまったことだけを認識した。
久し振りに会えたのに怒らせてしまった。
本当は二人で休暇をとって一緒に居たいが赤司の決定は絶対だ。
だから今度の遠征が終わったらゆっくり時間を取って、きちんと気持ちを伝えたい。
組織設立当初から、初めて彼が戦闘する姿を見た瞬間から長い間温めてきたこの想い。
今はもう会う度、言ってしまいそうになる。

全て打ち明けてしまいたい。




「……青峰っち…………………」






*********







青峰は自室に行くと上着をソファに投げると、そのままベッドに倒れ込んだ。


「……………………」


赤司は俺を黄瀬に近付けないようにしてる。アイツは気付いてねぇみたいだが、俺には分かる。
赤司は黄瀬が好きだ。きっと俺が黄瀬に対して持っている感情と同じ意味のそれだろう。
つまり、いつも通り邪魔者を排除したいがために俺を危険な……それこそSランク級の任務ばっか行かせやがる。
組織的邪魔者も排除出来る上に恋敵も上手くいけば死んでくれるってか?
はっ…………ざけんじゃねぇよ。俺は死なねぇし黄瀬も譲らねぇ。

この任務が終わったら休暇は意地でも取るし、取れなくても気持ちだけは伝えるって決めてんだ。
もし次で死んだら俺もそれまでの男だったってことだろ。
そんときは赤司に…………いや、死んでも譲りたくねぇな。



「………………黄瀬」



「黄瀬君がどうかしましたか」
「……………テツ、いつから居やがった」
「つい先程」

ベッドにぐったりと横たわる青峰を見下ろすように立っている黒子は何やら書類を手にしている。
おそらくさっき赤司が言っていた北方がどうのの詳しい資料かなんか。
相手方の軍の配置や戦闘パターン、トップの性格とか弱点とかとにかくまぁ色んなことが調べてある。
ちなみにそれを調べるのは、戦闘に関しても勿論プロな上にこの組織を束ねる赤司の右腕とも呼ばれる緑間の仕事だ。


「と、いうことですが…………聞いてますか」
「あー………悪ぃ」
「黄瀬君が気になるんですか」
「お前はマジでストレートだな………」

回りくどいことが嫌いな青峰としては有り難いことだがあからさま過ぎるのも困る。

「とっとと告白でもなんでもすればいいでしょう。面倒くさい」
「おい、最後本音出てんぞ。………………赤司のせいでタイミング掴めねーんだよ」
「僕には言い訳にしか聞こえませんが」
「…………俺お前になんかしたか?」
「何かした覚えがあるんですか」
「……………ありすぎてどれか分からん」


毒舌で辛辣なのはいつものことだがいつもより言葉に棘が付いている気がするのは気のせいか。
テツは戦闘に関してはからっきしだが、相手隙をつくことに関してだけは群を抜いている。
このアジトの警備に当たっているのだって寸分の隙も作らないようにするためだ。
何処から攻められても対処出来るように。



「そんなに好きなら連れ去ってしまえばいいのに」


「……んなこと出来るならとっくの昔にやってら」
「………………」

俺だってこんなすれ違いがずっと続くくらいなら、黄瀬を拐って二人で何処かに消えたい。
組織から脱け出して二人で安全な平和の中に身を置きたい。
赤司に従ったままでいたらその内、どっちかが必ず命を落とす。


「今度帰ってきたら、黄瀬に気持ちを伝える。アイツが頷くなら俺はアイツと二人でここを出て自由になる」


天井に視線を止めたままそう言葉にした青峰の顔はどんな危険な任務の時よりも真剣で、ただ一心に誰かを想う眼をしていた。
帰ってこれたら気持ちを伝えて一緒になって、二人で幸せに。
叶えたならば、それはどれだけ幸せなことだろうか。

けど、もし叶わなかったら?


「……駄目なんですよ…………そんなんじゃ……」

「テツ………?」


残された方はどうなる?
勝手に約束してそのまま去っていった人はいいかもしれない。
その人の生はそこで終わりなのだから。
でも、残された方は愛すべき人が居ない世界を死ぬまで生き続けなければいけない。


「今度とか次と言って、帰ってこれなくなった時には遅いんですよ?」
「……………………」


テツの表情を見て、気付いた。
そうだ…………コイツは………………まだ、待ってんのか。

もう一生果たされることのない『約束』が成就する時をまだ待ち続けてる。
あの言葉は俺に言ったんじゃねぇ、俺を通してあの時のアイツに向けて言った言葉だ。
テツを残して一人で消えちまった、アイツ。

「……………そろそろ失礼します。任務頑張って下さい」
「……………あぁ」


部屋から出ていったテツは何となく泣きそうな面をしてた。









『帰ってきたら伝えてぇことあんだけど……、………その……聞いてくれるか?』



本当は今すぐ言って欲しかった。
溢れる気持ちを僕自身が抑えられなくなっていたから。



『絶対帰ってくる。だからその時は…………俺と一緒に来いよ』



頷きながら本当は嫌だった。
嫌な予感がしていたし、何より最悪の場合を想像してしまったら素直にその言葉に喜べなかった。
それでもその時に思った言葉を彼に伝えられないまま心の中に留めておくしかなくて、でも気付いて欲しかった。
だから彼が出発した背中に小さく小さく溢した。




『好きなら連れ去ってしまえばいいのに』




その時を最後に、彼は僕の元に帰って来なかった。
死んだという知らせは受けていないが恐らくは…………そういうことなんだろう。
どうして僕は最後の言葉を彼に届くようにきちんと声を上げなかったのか。
連れていって、と素直に言えば良かったのに。そうすればここに独りじゃなかったかもしれない。
笑って、仕方ねーなって言って傍に居てくれたかもしれない。



あぁ、どうしましょう


あの時散々泣いてもう涙は枯れたはずなのに、君を想うだけで身体中の水分が涙に変わってしまう。



会いたい。

会いたい。




「……君に会いたい……………」




今すぐ君に………





「………………火神君……」


――――――――――――――――――――――――――――

超絶厨二設定すぎて恥ずかしすぎて死にそうです。
黒子っちは未亡人です。
この話の詳細というかどういう感じのストーリーかは日記の方に書いておきます。

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