今日は古市とデートのはずだった。
今日は黄瀬とデートのはずだった。
なのに、
「「なんでコイツもいんだ!!!!」」
待ち合わせの場所で飛び出す訴えに古市はへらっと笑う。
「黄瀬君がWデートしたいって言うから?」
「たまにはこういうのもいーじゃないっスか!」
「「良くねーよ!!!」」
正直こうなるとは思っていたが…………そこまで嫌か。
まぁ俺と男鹿も最近はあんまり二人でっていうの貴重だし、黄瀬君と青峰さんは遠距離で頻繁に会えないだろーし。
二人きりのチャンスが減るってのは確かに嫌なんだろうけど………たまにはいいんじゃないかな。
俺は他のカップルのこと知りたいし。
古市と黄瀬はギャーギャー騒ぐ彼氏二人の腕をそれぞれ引っ張り、歩き出す。
「四の五の言わずに行くぞ男鹿。青峰さん、今日はよろしく!」
「………………まぁいーぜ」
満面笑顔の笑顔で言われて断れる訳もなく…………いや、可愛くて断れなかった。
そして古市に対する青峰の優しい眼に黄瀬が気づかないはずがない。
「古っちの言うことはきくってなんスか?あんた実は可愛いとか思ってんしょ!!」
「うっせーぞ黄瀬」
「勝手に話進めんじゃねぇ!古市は可愛いけど俺のだからやんねーぞ!」
「あーもう早く行くぞ!!」
皆に可愛いと言われ顔が赤くなり、隠すように先に歩く古市を見てやはり可愛いと思った。
どこに行く当てもなくただ商店街を4人で歩きながらゲーセンに行ったり適当な店に入ったりと、ブラブラしていた。
最終的には古市と黄瀬が楽しそうに前を歩き行き先を決めている。
つまり今男鹿と青峰は並んで歩いているのだが…………二人の間にまともな会話が生まれるわけがない。
「お前あの黄色いのなんとかしろ。古市に近寄り過ぎだろ」
「はー?ムリに決まってんだろ。あんなキャッキャキャッキャ女子高生みたいなテンションの奴邪魔出来るか。つかだりぃ」
「俺だって古市の邪魔して嫌われたくねんだよ。今機嫌悪くなったら後で何も出来ねーし」
「黄瀬は別にキスすりゃ機嫌直るから楽…………て、どしたよ?」
前の二人が急に立ち止まったため青峰が黄瀬を覗きこむと、嬉々とした目で見詰めるものを指差した。
「………『今日限定イベント出張お化け屋敷』?」
「あれ!あれ皆で行かないっスか!?」
「俺はどっちでもいい。………男鹿は?」
「古市が行くなら」
「んー……まぁ黄瀬君が行きたいって言ってるし、いいよ」
人だかりが出来ている中、受付を済ませて列に並んだ。
余程怖いのか、時折お化け屋敷の中からは女性の悲鳴が聞こえてくる。
「古っちはお化け屋敷とか大丈夫なんスか?」
「大丈夫ってわけじゃないけど………このメンバーなら大丈夫そう」
確かにアバレオーガに加え、約190㎝の男二人がいれば何も恐れることはないだろう。
古市としてはどちらかと言うと早く入りたくて仕方ない。
何せ、長身イケメンモデルが居るせいで目立ってしまい………いや、青峰も男鹿も強面イケメンの部類であるため集団で目立っているのだ。
「別に俺だってイケメンだけど!」
「古市は綺麗可愛い系だろ」
素早い男鹿の指摘に他二人も頷く。古市もイケメンとは違う意味で歩いているだけで目立つ。
透き通るような白い肌と銀髪、大きな瞳に細いしなやかな身体を持つ古市が今、長身に囲まれた中で女装でもしようものなら、まず間違いなく女子に間違えられるだろう。
それくらい可愛い。
黄瀬も確かに可愛いが、どちらかと言えば見た目はイケメン、綺麗系だ。
「まー、俺はやっぱお前みたいなのが合ってるけどな」
「青峰っち………それって俺のがタイプってこと?」
「言わなくても分かれ。一応付き合ってんだろ」
頭を撫でられている黄瀬はへらっと笑みを浮かべて嬉しそうだ。
見ているこっちが恥ずかしい。
「見せつけてくれちゃってさー………」
「古市」
「ん?」
首を傾げて男鹿に振り返ると男鹿は首を傾け、軽く古市の頬にリップ音付きでキスをする。
勿論周りに人がいるがその一瞬の出来事に気付いた者は居なかった。
黄瀬と青峰以外には。
「おっまえは!!!こんな場所で何考えてっ!!」
「古市のことだろ。二人デートじゃなくなったんだからいーだろ、ちょっとくらい」
「TPOをわきまえろっつってんだ!」
「痴話喧嘩っスか?」
「痴話喧嘩だな。キスくらいで怒んなよ」
そう言いながら青峰は黄瀬の耳に軽くキスをするが黄瀬はまさかされるとは思っていなかったため、嬉しさで頬を染めた。
古市とは違い、普段から青峰に愛情表現をあまりされないからか、嬉しくて仕方ない。
青峰を見つめるとまた頭を撫でられた。
「黄瀬君ってイケメンだけど可愛いよな」
「古市のが可愛いだろ」
「お前………せめてイケメンなら喜ぶってのに」
どうしてこうも可愛いを推してくるのか分からん。
全く……………
溜め息をつき、イケメンな黄瀬を羨ましそうに見つめた。
黄瀬も古市の熱い視線に気づき、こてん、と小首を傾げて見つめ返すと古市は顔を赤くして顔を背ける。
美形に見られると妙に恥ずかしいのだ。
「…………古っち」
「…………?」
「めちゃくちゃカワイーっス!!!なんスかその反応!!あーもー可愛い!!」
「ちょちょちょっ!!黄瀬君!!?」
自分より14㎝も高い身長の男に抱き着かれるのは正直苦しいし、男鹿の視線が痛い。
「受付番号25番の古市様ー!」
女性の声の方に向くと受付のお姉さんが呼んでいる。
多分順番が来たのだろう。
「ほら、早く行かないと!」
「やっと回ってきたっスか!!」
黄瀬を振りほどいて早足に歩く古市の後をぞろぞろと着いていくと、お化け屋敷の入り口。
そこで立ち止まる古市に男鹿はニヤニヤと近付く。
「こえーなら手でも繋いでやろうか?」
「いらねーし怖くねぇよ!」
「青峰っちー」
「うぜぇくっつくな!」
「ヒドッ!」
係員に促されながら4人並んで入ると、中は真っ暗で通路に沿って転々と付けられた灯り意外何も見えない。
しかも嫌な感じで肌寒く、まるで霊がすぐ側に居るかのような音までする。
恐る恐る歩き出して数秒。
「ぎゃああああああああああああああ!!!!!」
「えっ、古っち!?」
「あ、足!足が!足が!!」
「あ?」
灯りでギリギリ認識出来る、古市の足首が誰かに掴まれている図が。
必死で振りほどこうともがいているがどうも無理らしい。
「ほら、行くぞ」
「あっ、わっ…………と」
男鹿が手を引くと簡単に手は古市から離された。
最初はその程度だったが、徐々に進むにつれて恐怖は煽られ、仕掛けも複雑になっていっていた。
「うおっおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!??」
「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「ムリムリムリムリいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「うわあああああああああああああ!!!!」
とにかく色んな叫びが発せられ、最初はゆっくり歩いていたはずが後半からは早足になり、むしろ途中は走っていた。
しかも最終的には転々と点いていた灯りさえも無くなるため、完全な闇の中で恐怖を味わう。
元々怖いものが得意ではない古市はまさかここまでとは思って居なかったからか、恐怖で抱き着きながらでなければ進めれない。
抱き着く腕に力を込めるが特に何も言われない。
安心して益々力を籠め、最後のお化けを乗り越えれば出口はすぐそこで、外の光が洩れる暗幕を捲って4人で外に出た。
「………え」
「………あ?」
「………は?」
「…………なっ、」
4人が互いを見合わせると、とんでもない光景がそこにある。
古市の視界の先に男鹿と黄瀬が立っていて、じゃあ今抱き着いている相手は…………?と見上げれば、一人しかいない。
浅黒い肌と青い髪の、黄瀬の彼氏。
「あっ!え、や、ご、ごめん!間違えた!!」
青峰だと認識した瞬間古市は飛び退き、黄瀬に頭を下げるが明らかにショックを受けている。
男鹿は男鹿で放心状態だ。
「あー………あんま気にしてねぇから」
「青峰さんは良くても黄瀬君が………」
「アイツは何時ものことだろ。気にすんな」
古市の髪を撫でると黄瀬は青峰を睨み付け、まさか喧嘩でも始める気かと身構える。
だが青峰にではなく男鹿に近寄ったかと思うと、
「青峰っちの浮気者!!いっスよ!男鹿っちと浮気してやる!」
と、放心状態の男鹿に抱き着いて頬にキスをしようとした瞬間、腕が強く引っ張られ、気が付けば青峰にキスされていた。
「んぅ………………、……ん…」
ちゅ、と離れていく青峰に上手く宥められたと分かってはいても、怒る気力はなくなってしまった。
何も言えない黄瀬に顔の至るところに何度もキスを贈る青峰が恥ずかしくて古市は顔を背ける。
男鹿は未だ放心状態であるため、仕方なく引っ張って人影の少ない所に連れていった。
「男鹿、………男鹿、いい加減帰ってこーい」
「………はっ……!!」
「あ、帰ってきた」
「あっの野郎ブッ飛ばす!!!俺の古市に!!!」
俺が勝手に抱き着いてただけだっつーのに。
あーあ………馬鹿だなぁ。
「男鹿」
背中に腕を回して隙間が出来ないように抱き着くと、男鹿も恐る恐る抱き返してくる。
「今日、楽しかったな」
「俺は古市と二人が良かった」
「そうだな…………じゃ、次は二人でどっか行こーぜ」
あの二人のキスも自分達のように甘いのかと、片隅に考えながら唇を重ねた。
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陽向様とリンク相互記念リク、『青黄+男鹿古』でした!!!!!!
遅くなってしまって本当にすみませんでした;
もしかしたら日記の方を見て頂けていたら知っておられると思いますが、10月初めからネットが今日まで接続不可だったので・・・・・うう。
今日ネット会社の人に来て貰ったので、ようやく!!です!!
男鹿古+青黄楽しかったです!!!
黄瀬君と古市の絡みを書こうと考えると女子高生のノリしか思い浮かばなかった(笑)
あまり黄瀬と古市の絡みは書けませんでしたが、一応Wデートですwww
そして青峰っちはちっこくて目がでかい古市を可愛いと思ってればいいです。
何故か青古が入ってしまって予定外でしたが楽しんで頂けると嬉しいです!!
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