駄目だ………、最近オカシイ。
男鹿が……………いや、男鹿と付き合う前はこんなことなかったのに………!!
「どーした古市、顔赤ぇぞ?」
「触んなボケッ!こっち見んな!!」
「あ?誰に向かってんなこと言ってんのかな?古市くっ、ぐぉ!」
男鹿に手を引かれ、思わずグーで鳩尾を殴り付けて逃げてしまった。
だって…………、目が合っただけでもこんなに動悸が激しくて死にそうなのに、手を掴まれたら死ぬ。
分からない。なんでこんなことになったのか全く分からない。
男鹿に告白されたとき、勢いに押されて頷いたのがいけなかった。
付き合い始めて1ヶ月、微妙な変化だが以前と比べて男鹿は毎日嬉々とした様子。
男鹿のことだから一週間もしない内に襲ってくると思っていたが、実際は何もされていない。
ただほんの少し………少しだけスキンシップが増えた。
男鹿の部屋で漫画を読んでると隣に座って肩に凭れてきたり、肩を抱いてきたり。
後ろからそっとお腹に手を回して抱き付いてくることもあった。
最初はなんとも思わなかったし、そんなに恋人になれたことが嬉しいのかと呆れたくらいだ。
「古市いいぃぃいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!!」
「来んなアホッ!!バカボケッ!!」
でも、気付いてしまった。
部屋に二人きりで、男鹿がいつも妙に嬉しそうだからついどんな顔をしているのか知りたくなって、振り向いたら気付いた。
男鹿の自分を見る時の優しい、熱の籠った愛ある眼差しに気付いたから。
だから、もう今までみたいにはいられない。
男鹿と目が合う度にその瞳から、優しい口許から、表情から、好きだと言われているみたいで心臓が痛い。
笑い掛けられるだけで胸が酷く苦しくて、息が詰まる。
泣きたくなるくらいの激しい動悸に体が熱くなって、でも自分の中に芽生えた感情を認めたくなくて、ただ拒否することしか出来なくて……
「古市!」
「………っ……!」
やはり体力と運動能力の差か、古市は男鹿に捕まった。
男鹿は古市を離すまいと腕を掴み直し、自分の方へと引くが古市はもがいて外そうとする。
「なぁ、最近お前変じゃね?」
「は、はっ?どこが?いつもと変わんな………ちょっ、」
男鹿に後ろから抱き締められて密着され、また心臓がドクン、と強く脈打った。
早くこの苦しい状態から開放されたくてもがくが、当然離してくれない。
「なんか、避けてるだろ」
「そんなことねぇ……気のせいだ」
「前は後ろから抱き付いても、肩抱いても怒んなかったくせに。なんで目ぇ合っただけで逃げんだっつの」
「だから……それは、その…」
煮え切らない古市に男鹿の眼に不安の色が差す。
「………やっぱ、好きじゃねぇか」
「え」
「俺のこと、好きじゃねぇのくらいコクった時から知ってるっつの。伊達にお前と幼馴染みやってきたわけじゃねーし」
「や、ちが………」
「お前が別れたいっつーなら……」
認めたくない。絶対認めたくなかった。
だって、そうだろ。
自分の気持ちの変化には気付いてたし、ほんの少し嬉しいとも感じれた。
だけど後から好きになったってことはそれだけ相手より想いの深さが劣ってるってことだ。
それはつまり、恋人として同じ位置に立っているとは言えない。
アイツとは……、男鹿とはいつだって並んでいたいから。
だから、“好き”だなんて認めたくなかった。
「別れたいとか、誰が言った」
「は?だってお前………」
「俺がいつ言ったんだっつの。男鹿…………俺の目、見ろ」
そっと腕を解いて向き合った。
古市は多少の気恥ずかしさを取り払って男鹿を一心に見つめた。
自分の今の気持ちが解るように。男鹿は古市の意図を読み取ったのかみるみる内に顔が赤く染まっていく。
だがどう見ても目の前にいる想い人の瞳の中には自身と同じ類いの熱が籠っている。
「………古市君、マジ?」
「……マジだ」
「マジか…………あー……マジか。すまん………ちょっとだけ」
「……………」
今度は正面から抱き締められ、抱き返すと男鹿は耳まで真っ赤に染め上げた。
古市は今までに見たことのないほど嬉しそうな男鹿にさらに追い討ちをかけるように耳元で愛を告げた。
“俺も……、好き”
俺はこの日初めて知った。
気持ちが交わることの大切さ。
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青春してる男鹿古を書きたくなった。
青春まじ青春!
古市のキャラ最近行方不明ですがヒラマの古市はこんなんですw
古市をいかに可愛く書けるか悶々とによによしながら楽しかったっす^^
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