「よぅ古市」

「あのさ………何でお前普通に大晦日の年越し直前12時前に人の家来てんの?
なんで俺の家族もお前が来るの当たり前みたいに受け入れてんの?つかその格好なに?執事とか(笑)」

「執事に笑う奴は執事に泣くんだぞ」
「いや意味分かんねーから」

カウントダウン30分前に現れた執事コスをした男鹿。
どうせなら美咲さんのメイドさんが良かった。

「つか蝶ネクタイじゃねーの?」
「あぁ………蝶ネクタイとか合わねぇじゃん。だから親父のネクタイ借りてきた」

「ふーん。ちなみに仕入れ元は美咲さん?」
「何か大学の友達から借りてきたって。俺に着せたら写メ送れって言われたんだと」

「まぁお前顔は良いもんな。……で、何でお前はここにいんの」

呆れ顔で男鹿を見やるといきなり、ほんといきなり姫抱きにされてベッドの上にいつもみたいな乱暴にではなく、静かに下ろされた。
姫抱きにされた恥ずかしさと押し倒されているという状況に顔がぼっと熱くなる。

男鹿は古市の上に被さったままニッコリと間抜け面で言ってのけた。



「姫初め、しようぜ」


「……………え?」

目が点になるってこういうことを言うんだな。
つかコイツ馬鹿か、頭大丈夫か。


「姫初めしようぜ」
「二回も言わんでいい!」
「叩くなよ」
「死ね。それが理由で執事コスとかマジ死ね、発想がキモい」


古市の冷ややかな言葉に負けじと言い返そうとするが気が変わった。
こういう時はコトを始めてしまえばなんだかんだで古市はノってくる。
だったらさっさと古市をその気にさせるのが先決だ。

男鹿は文句ばかり垂れる古市の唇を塞ごうとした。
した…………のだが。


「のーけーろー!!」
「ちょっ、」

グイグイと押し返してくる腕は細いくせにこんなときだけやけに力が入っている。
だからといって男鹿が負けるわけがないが、早い内に抵抗を止めさせないと意地になってずっと抵抗される。
少し強引にではあるが、抵抗する古市の手を封じ込めるように抱きついた。

「オイッ、離れろよ」
「古市」

「お、が……ふ、ぅん………んっ」

一度キスしてしまえばこっちのもの。
濃厚に舌を絡ませ、甘く吸い上げれば体の力は抜けて男鹿との交わりに夢中になる。
というわけでもなかった。


「やめ、……やめなさい!!」

殴られた。

「古市のケチ」
「ケチじゃないっ!姫初めって…………今日家族いんだぞ!?」

あぁ、そんなことでコイツは拒否ってるわけか。
全くしゃあねぇ奴。



「大丈夫だ古市」
「……………」

「お前の母さんにも許可はとった!!」


は?えっ?

呆然とする古市に男鹿はさらに言った。



「『貴之と姫初めしにきました』っつったら『あらぁ、貴之なら二階にいるわよ?上がって上がって!』って」

「かああぁぁさああぁぁぁあああんんんんんんんんん!!!!!!」



いや別に男鹿と付き合ってるのを隠した覚えもないけどさ!!!
ていうか自分の息子がヤられることはいいのか!!!



「つーわけで………」
「んやっ…………待っ」
「待たない」


ベッドに手は頭上で縫い付けられ、男鹿は黒ネクタイを片手でシュル………と解く。
その姿が妙に色っぽくて不覚にも胸が高鳴ってしまった。
細められた鋭い眼光に視線が奪われる。



「…………っ……」
「………お姫様」

「だ、誰が姫だ……っ」
「照れてんなよ」

首筋に埋められた鼻先がくすぐったくて首をのけ反ると男鹿が思い出したように顔を上げた。


「そういや、お前の家族これから神社に行くってさ。だから………声出しても大丈夫だぞ」
「へっ」
「気ぃ使ってくれたんだな」

いい家族じゃねぇか、と大きく頷く男鹿に普段ならチョップでもかましてやるところだが………
まぁいっかな、と男鹿を自分の胸に抱いたらぎゅ、と抱き返された。
服を脱がされて鎖骨を舐められ、軽く吸い付かれれば赤い痕が白い肌に映える。


「ぁっ…………見えるとこはダメだから、な?」
「仰せの通りに………お姫様?」
「だから姫はヤメロ…………つかお前は脱がねぇの」

首に腕を巻き付けながら聞くとバーカと上から言われる。
なんかムカつくんですけど。


「脱いだらこれ着た意味ねぇだろが。それとも…………似合ってねぇ?」

男鹿なんかに上目遣いに聞かれても可愛いはずがないのに。
きゅん、と胸が変な音を立てるから俺はとうとう可笑しくなったのだろう。
可笑しくなったついでに………男鹿に素直に言った。


「格好いいよ……………滅茶苦茶ムカつくけど」

「古市は可愛いぞ」
「…………死ね」

「……顔赤いけど?」
「お前だって赤ぇんだよ、馬鹿」

「そりゃ……………滅多に言われねぇから」

格好良いって。




「…………格好いいよ。………そそられる」

「……………あー……もうお前マジ最悪」


目を緩めて言う古市に、男鹿は顔を赤くジワジワと染め上げていく。

今日は執事な格好で古市を可愛がって翻弄してやるつもりだったのに…………この男は。
俺の計画がパァだ。
でも俺はこんな爆弾を落としていく古市が好きでたまらない。



「…………あ、男鹿」
「ん?」

古市が時計にふと目をやったため、男鹿もそっちを見ると0時まで1分をきっていた。


「カウントダウン、一緒にしようぜ」
「そう、だな…………」


電波時計を目の前に持ってきて静かに秒数が進んでいくのを見守る。
部屋にはカチ……カチ……という音だけ。
10秒前になると二人で目を合わせて、キュ、と手を繋いだ。


「「10……9……8……7……6」」

「「5……4……3……2……」」




いち。




「「明けましておめでとう」」

「「今年も恋人としてよろしくお願いします」」


今年の初キスは甘い味がした。











結局動きやすくなるために上を脱いで、カッターだけになった男鹿は古市を夢中で掻き抱いた。


「あっ、あ………あぁっ」
「古市っ………すげっ、締め付けてるっ」
「………ん、ふあっ……ん………あっ、はぅ」


二人の汗がシーツを濡らしていく。
古市は夢中で男鹿の背中に指を立て、快感から逃れようとするが男鹿が腰を掴んでいるために逃げられない。
散らされない快感が古市の喉を通り甘い音となって部屋に響く。


「古市………来年も、再来年も来るから」


「えっ?………ひあ、ぅ……あっ」
「姫初め……しよーな」
「は、あっ…バッカじゃ……あっぁ……ねーのっ……ん」

行為のせいで染められていた顔はさらに真っ赤になっていて可愛い。
古市の口に触れるだけのキスをして、掠れた声で囁いた。


「でも………俺はしてぇから」

「っなら…………来年は執事とかそういうのナシっ……」
「なんで?」
「だからっ……ぅあっ…う……格好いいからっ……恥ずかしい」


恥ずかしい?古市がなんで恥ずかしがんなきゃいけねんだ?
しかも格好いいならいーじゃん。俺もその方が嬉しいし。

それを伝えようと口を開こうとしたら、古市が朱に染まった目尻を潤ませながら抱きついてきた。
古市の薄い体と男鹿の筋肉のついた体が重なりあう。


「聞こえるだろ………?心臓がドキドキし過ぎて恥ずかしいんだよ………っ」

確かに二人の重なった心部がドクドクとかなり速く脈打っているのが分かる。



「………古市、お前はどこまで俺を喜ばせりゃ気が済むんだ」
「あっ、馬鹿!………なにでかくさせてんだ………っよ」


また古市の心拍数が上がった。

愛しい俺の恋人。




「好き」
「………ん………ふぅ、あっ」

腰をまた動かし始めればそれに応えるような喚声が聞こえてきた。










「…………姫初めとか……」
「気持ち良かったぞ」

「…………俺も気持ち良かったけどさ」
「なに」


布団の中で男鹿に抱き締められながらもっと近く、と自分からさらに密着する。
そして聞こえるか聞こえないかの声量で男鹿に伝えた。


「………執事コスの写メ美咲さんの友達に送るんだよな?………それ、断れ」
「…………へー……他の奴には見せたくねぇって?」

図星とでも言うように耳まで赤くなる古市をよりいっそう強く腕に閉じ込めた。

「姉貴に言っとく」
「…………もう寝るっ」






朝、古市が男鹿より早く起き、おもむろにケータイに手を伸ばすと一件のメールが来ていた。

「美咲さんから……?」

本文を見てみる。




『あはは!辰巳から聞いたわよー!たかちんも中々独占欲強いわねぇ!
ちゃんと友達には、辰巳の恋人が嫉妬するからって断っといたわよ(笑)』




このあと古市から男鹿に制裁が下されたのは言うまでもない。

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新年一発目ひどいですねwwwだがしかし後悔はしていない。
エロ好きよwww古市を喘がせられる男鹿ちゃんが羨ましいよ^^

ちょっと今エロ書いたばっかでテンション上がってるwww
でもあれだね。
連日でエロ書くとなんかもうアレがああなってアレするからさ、今回めっちゃ短めにしたのだ。
べ、別に手抜きとかじゃないんだからね!?勘違いしないでよ!!←?

【連鎖】でエロは結構じっくり書いたからなんかこっちはライトな感じでやっちゃったぜ☆
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