部活から帰ってきて自分の家に入った。
目に入ってきたのは黒い猫。
「…………………」
「青峰っちお帰り!」
「…………黄瀬?」
この独特の呼び方はヤツ以外ありえない。
だが…………明らかにいつもとは違う。
「お、前…………」
「ん?」
「その髪……………っ」
「わっ………ちょ、」
黄瀬の肩を掴んで食い入るように髪を見た。
それはそうだろう。
今黄瀬の髪はいつもの明るい色ではなく、真っ黒になっていたのだから。
その黒髪に合わせたように黒い猫耳がヒョコンと飛び出している。
「ど?似合う?」
「………………まぁ、元がいいからな……お前は」
元々整った顔をしている黄瀬は黒髪でも十分人気が取れるくらいには似合っていると思われる。
猫耳も可愛い。
「今日ハロウィンだから仮装してみたんス!青峰っちの分もあるから着てみて!」
「知るか。つーか帰れ、マジ帰れ」
「えー……せっかく青峰っちに似合いのマント準備したのにー」
「まんとぉ?」
「もちろんハロウィンといえばドラキュラっしょ!」
「着ねぇ!」
「せっかく用意したのに?ドラキュラのペット的なノリで黒猫の格好してあげたのに?」
「ペットって……………てか黒猫はお前が勝手にしてんだろ」
黒い黄瀬を避けて自分の部屋に足を進めると後ろからにこにこしながら付いてくる。
しかも何か不穏な空気を感じる。
「なぁ、俺の親居たろ?」
「居たっスけど、ちょっと出てくるから青峰っちが帰ってくるまで留守番頼むって!」
「なんでウチの親とお前がそんな仲良いんだよ………」
「ん?」
「なんでもねーよ…………って」
部屋のドアを開いて目に飛び込んできたのは黄瀬。
いや、正確には黒髪の黄瀬だ。
それの写真…………特大ポスターが部屋の壁やあちこちに貼られている。
「てめぇ………コラ何だこれ」
「えー?イタズラ?」
「あ゛ぁああん?」
「だって青峰っちに『お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ?』とか言ってもどーせお菓子持ってないんスから。
だから先にイタズラしてみたっス!」
「よし、お前は俺に殴られたいんだな?」
歯ぁ、喰いしばれ。 と黄瀬と距離を詰めた。
だが黄瀬は相変わらずにこにこしていてちっとも焦っていないようだ。
青峰をヒラリと交わしてどこから取り出したのかさっき言っていたマントを突きつけてきた。
「さ!これを着てLet's イタズラ!」
「イタズラされてぇのかよ!」
「あったり前!早く!」
「いやイタズラしてくれって頼むヤツにしても何も楽しくねーよ!むしろ萎えるわ!」
「しょーがないっスねぇ。じゃあ嫌がるから早くー」
ベッドの上に転び、制服のネクタイを緩めて誘うように手を広げた。
青峰は溜め息をついてベッドに腰かけ、黄瀬の染められた黒を柔く触る。
猫耳が揺れ動く。青峰の手に頭を擦り寄せてもっととねだった。
「お前マジでこのまま喰っちまうぞ?」
「いいよ………食べて」
「……………バカ」
青峰はベッドから立ち上がり、着替え始めた。
ブレザーを脱いでベッドにいる黄瀬に向かって投げ、引き出しからタンクトップを取り出す。
「な、なんで?ヤんないんすか?」
「お前も早く起きてコレ着ろ」
同じくタンクトップを渡された
「バスケしに行くぞ」
「はぁ?ハロウィンなのに」
「帰ったらいくらでもイタズラしてやっから」
「ぅ、んっ」
いきなり唇を押し付けられ、戸惑ったがすぐに首に腕を回して自分からも押し付けた。
青峰は黄瀬に応えてやってから離れてバスケットボールに手を伸ばした。
「よし、行くぞ」
「ちょっ、待って!置いてかないで!」
バスケを散々二人でやった後に何かをする体力は黄瀬にはなく、結局その日は何もせずに泊まっていった黄瀬だった。
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黒バスは仮装ネタっすwww
黒いきーちゃん見たいww絶対ただのイケメソwwww
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